ENo.0265　ジュネリア＝ハーヴェスト

先週の日記がまだあがっていないんだよね
http://midnight.raindrop.jp/milliapede/alptra/D36-265.html

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自室で一人、端末を操作し作戦の事後処理を済ませる。
僚機のアキラ・ハリアエトゥスが請け負ってきた作戦。

結果として作戦目的は達成された。
大成功というわけにはいかなかったが相手の戦線を突破していた。
各ブロックごとに設定していた損耗率30％未満こそどこも達成できてはいなかったが、結果として大部分の部隊が霧の巨人と相対する。
ジュネリア自身も、配置されたブロックで中心に立って作戦を行った。
思うところがあったからだ。


ジュネリアにとって残像領域の存亡というのはあまり重要ではなかった。
ジュネリアにとってここは自身の復讐に関しての情報を集める場であり、あいつを探す場所であり、ただの一つの戦場にすぎなかった。

もちろん今までに見てきた戦場でも一番規模が大きく、相手のはっきりとしないところではあったが、ジュネリアにとってそれは都合のいい空間だった。

いつしか音声メッセージには様々な勢力からの協力要請が入り込むようになり、蒸し暑かった気候は一変し、ライダーたちが徒党を組む。
個々の関係は深まり独自のつながりを形成し各々の世界を作り上げた。

もともと自身の完結した世界にいるジュネリアにはだからこそ変化は関係のないものとして処理している。
だからこそ音声メッセージも廃棄していたし取引もできる限り自動化した。
他者とのやりとりも最低限に行いたった一人で探し続けた。
他者の認識に難があるのもそれに拍車をかけた。

20年間そうし続けてきたわけではない。
誰かに協力してもらうことも、誰かを頼ることもしなかったわけがない。
最初に一族の遺産をむしられそうになった。だからそれをハイドラとかさばらない資金源にして一人になることを選んだ。
その後も寄ってくる人間は金目当てが多かった。
はじめのうちは目的に共感し協力するといっていたものも、裏切ったり、途中で死んでしまったりした。
中にはジュネリアのやり方にはついていけないと離れていった者もいた。
どれだけ関係を深めようが、どれだけ志を共にしていようがそう長くないうちに一人に戻っていた。

　それは私自身がそうなることを望んでいたのか
　それともはじめからそうなるように決められていたのか

やがて一人でいることが当たり前になり他者に回す労力をすべてあいつを探すことに費やすようになる。
それはもしかしたら自己防衛だったのかもしれない。

失うことへの自己防衛
もしくは、見つけてしまい、終わってしまうことへの自己防衛。

　あいつを見つけ、復讐を果たし、私はどうするのか？

ずっとそれから目を背けてきた。

リー・インを復讐相手だと思い込んだときでさえ、無意識に足踏みをした。
本当ならうらをとるだの、情報を集めるだのする必要がない。
WHを、アクラネシアを持ち出し生身のリー・インに襲撃をかければすむ話だ。
もしくは、親しい相手を人質にとるなどもできただろう。

ジュネリア自身これを教えに沿わないとしてしてこなかった。
８歳までに施された、親による教育。
そんなやり方で復讐を果たしても、意味がない、と。

　本当にそうだったのか？
　もっとちがったのではないのか？
　復讐を果たしたときに、どうなるかを恐れていたのではないのか？

その思考に、解答はない。
ジュネリアが認めなけれ解答ではない。

結果としてリー・インは違った。
もっとおぞましく不快な存在だった。

しかしそれがわかったときに、ジュネリアは真っ先に安堵したのだった。
復讐相手ではない者を殺さずにすんだことになのか、復讐が達成されなかったことについてなのか。

　そしてリー・インは私の20年を否定した。

人を使え。人を頼れ。目的に対し貪欲になれ。
ジュネリアはそう解釈した。


親に教わらなかったことは多いが、人を使うことも、その一つだった。


作戦は成功したが、ジュネリアのいた戦場の生存率は、約60％
中心に立ち、指示を出し、作戦指揮をとり、他者と密に言葉をかわした。

　やはり私は、人を動かすのにはむいていないな

うわさでは、ギルデンロウも作戦にのっただけに過ぎず、一人の男が先導したらしい。

その男は、リー・イン

ただ無言で射撃する