ENo.0065　夜明けの口笛吹き

何事を成すにも好機というものがある。
彼我の戦力差を勘案して動く必要がある。
優勢なら秩序を、劣勢なら混沌を、それぞれ形成する努力をしなければならない。

ビショップの所属するユニオン、通称〝マノ社〟は団結力の高いユニオンだ。
私がビショップに仇せば（私の行動は彼女を救う行動でもある筈だが、大抵その側面は無視される）、彼らは一丸となって防衛線を張るだろう。
多勢に無勢は明らかだ。

私の味方はルークだが、まだ温存しておく。フリーハンドを与える。
彼女は言うなれば豊穣の種だ。いずれ私に多くの益を齎す。
ここで消耗したくはない。

私の行動は、大まかに三つのフェイズに分類される。
①ビショップを中心に、粗製ポーンをまき散らす。これらのポーンは戦場に放つポーンとは大幅に姿形が異なる粗製品だ。
　私との紐づけはされない。
②騒動を解決する側に立ち、ビショップとの距離を詰めていく。幸いにも私は彼女の信頼を勝ち得ている。
③ある一定のタイミングでビショップに奇襲を仕掛ける。マノ社のやつらは粗製ポーンで足止めをする。
　ビショップへの接触方法は、ウィルスによるクラッキング、或いは〝本体〟を窃取する。

特筆すべきは、許多という男だ。
彼はビショップの肉親であり、距離が近い。
ビショップは比較的取り入れやすいが、許多はそう無防備でないはずだ。
ひとたび彼に警戒されると、それは即座にビショップにも共有されるだろう。
厄介な障害だ。少なくとも、フェーズ３では隔離しておかなければならない。




このところ、フローレンスが覚醒しつつある。
彼女が目覚める前に。
ツノを入手する。
私が残像領域を掌握する。
すべての生命に、生と死の歓喜を。
真実を。
与えなければならない。
その混沌と退廃の地獄でこそ、ハイドラ乗りたちは光を見る。
彼女の姿を見る。
その虹彩を透過して。

Cafe ＆ Maintenance Mer-Millia

巨大樹木の中から、機械の大百足を探せば良い。
その樹の足元に、腕のいい整備士――あるいは料理人のいる店があるのだ。

カフェ＆メンテナンス『メル・ミリア』は、今日も密やかに営業を続けている。
禁忌戦争を生き抜き、霧とともに消えたとされたハイドラ大隊から戻ってきたと噂されている店主は、もはや多くを語らない。ただ、樹木に絡みつくように“眠っている”機械の大百足は、その時の店主のウォーハイドラだとされる。
時々たまに、思い出したように起き上がって、生きているかのように周りを歩き回るのだという。だから、この辺の木の根は金属の多脚にずたずたにされてしまって、あまり真っ当には育たないんだそうだ。店主はそう言って笑っていた。

今日のおすすめは、禁忌戦争で破壊されたと言われる要塞のひとつを模した店主手作りのケーキ。

！店および店主（ENo.7サブ）の既知可　4期既知（ENo.4）も可
！ユニオンに参加せずメッセで利用する体も歓迎
！ロールするキャラを推奨するかも

細かいこと：http://midnight.raindrop.jp/decoherence/union.html

（整備極ユニオンです。購入はユニオン主の独断。）