ENo.0034　アンフィニ&許多

「『私は解呪しなければならない』『私の幸せのために』………。
角のことはともかく、呪縛から開放されるべきというのは、そうなのかもしれません…」

「……もう、怯えて暮らし続けることもないんじゃないかアンフィ。
確かに追手も戦場も、怖さは前と変わらないけどな。でも今の俺達にはいろんな味方がいるし、怯えたり隠れたりじゃあなくて、堂々と『もし来てもバッチリ迎え撃ってやろう』ぐらいの気持ちでいた方がいいぞ、多分…」

「……………」
「私が彼女をやめたら、彼女は本当に死んでしまうのではないかと思うと、怖いのです…。
頭ではわかっています。姿がなくとも私達は『フリムさん』のことを忘れたりはしません…。
彼女が知ることのできなかった世界を彼女の代わりに見て生きるというのも、
私（ｱﾝﾌｨﾆ）が姿を隠すための建前にすぎないです。私はフリムさんを自分のために利用しています……」

「仕方ないだろ…悪いことじゃない。フリムは許してくれるさ。
でもサビラとアヴィぐらいにはアンフィの姿を出してやれよ。アヴィが結構、悩んでたぞ」


「はい……。でもまだ、時間がほしいです、兄さん。義体培養が終わるまでには心の整理をつけます…」

「電子精霊……マルコフ先輩のようなものでしょうか？本社でもそう言った研究がなされていたような。アーカイブでも見てみようかなぁ……」
「僕は結構複数体連携とかクラウド的な方に特化してるので、思考は割と単純構成だったりするんですけどね」と伸びをした。画面上で。

「とりあえず、えびっこさん……から？らしき献金については、今のとこ調査中です。飼い主さん困ってないかな……」