ENo.0032　メーネ・フライス

メーネ「私ね、思ったのよ」


整備班「はあ」

ある日の機体メンテナンス作業中に、メーネがだしぬけにそう切り出した。



メーネ「私達の目的って、要は遺跡探索じゃない？　最終的には。
って事は、今回は無理に戦わなくてもいいのよ」


整備班「……まあ、理屈としてはそうですね」


メーネ「そこで私は考えたわ。遺跡の壁画や文字をスキャンして記録するためだけの機体構成。
とにかくレーダーやセンサーだけを盛りに盛って、戦闘は他の誰かに任せる」


整備班「あっ、ついこの間発見されたハイドラの新しい可能性とかいう、エンサイクロ……なんたら、ですかね」


メーネ「そう！　それよ！　それこそが私の求めていたハイドラの形よ！
戦わず！　探査だけして！！　戦いなんてくだらねぇぜって！！！
思えば本業よ！　どうして本業を疎かにしようだなんて思っちゃったのかしら私！
フフ、敵の攻撃を受けてもスルーして、撃破されてもマシンオーバーロードさせてひたっすら読むの。解読するの。遺跡のあらゆる図柄を、あらゆる文字を、文章を、空気を、文化を、遺志を伝承を伝統を教訓を歴史を全てを……！」


整備班「め、メーネさん！？　メーネさーん！？　メディーック！　鎮静剤持ってきてー！！」


メーネ「強くなった敵なんてそうよ無視してればいいのよだって遺跡があるんだもの遺跡…うふふ…マテリアルベルトは遺跡壊そうとしてるのよねもう契約先変えちゃおうかしらうふふそれを壊すなんてとんでもない」


整備班「お気を確かに！　メーネさん！　メーネさーん！！」

「♪（ケチャが流れている　誰の仕業だろう）」
（射撃５　素材＋１）

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緩い空調にむき出しのコンクリートと配線。

人間用の火器練習用の的がやや離れた場所に見える。

人数分のイスが用意され、それ以外は壁際に積まれている。

軋む扉を二枚抜ければ、ただ広い荒野と、いくつか点在したジャンクで出来た的。

戦場のジャンクが一時的に集められる場所のすぐ近く。練習にそれらを吹き飛ばせば、幾らか使えるものくらいは見つかるだろう。

新しく、ブースター付きのベッド、スプリングがよく効いたベッド、噴霧機能の付いたベッドが置かれている…