ENo.0302　ヨシャファート

　非人道的だって？
　そりゃそうだ、そういうものを造ってるんだから。
　恨み言だって言われるだろう。
　そうなるものを造ってるんだから。
　なぜ、と言われたなら、答える言葉はひとつきり。
　私がしたいと思ったからさ。
　ほかにあるかい？
　私にとって必要だったから。
　みんなそうだろう。
　誰だって――せざるを得ないばかりに生きている。

　言い訳はしないよ。
　私はしたくてやった。
　なぜかって？
　そりゃあ、適性があったから。
　得意だった。
　そうしたことに向いていたんだ。
　人でなしで、胸の悪い、残酷で人道にもとるようなことに。
　自分というものをなるべく有意義に使おうとしたら、私の場合は自然とこうなってしまった。

　でも、そのことを悪く思ってるわけじゃないよ。
　さっきも言ったように、言い訳をしたいわけじゃないんだ。
　後悔もないし感傷もない。
　そういうものが必要とも思わない。
　これからも、この先も。

　しかし、いつか報いはやってくるだろう。
　私はそれを待っている。
　何かが私のところへたどり着く。
　いったい何がやってくるだろう？
　人か、できごとか。
　それとももっと別のものか。

　生きるというのはそういうことだ。
　誰だって。
　遅かれ早かれ、いつかそういうものを受け取らなければならない。
　これまでやってきたことのすべてが、やがて自分というものに追いつく。

　そのために、ありとあらゆるものは延命されねばならない。
　生き延びなければならない。
　私はいまも待っている。
　やがて私に至る稲妻を。
　
　そうして私はここまで生き延びてきた。

　Yohshaphat.
　おお、他でもない、それこそは私の名だ。
　「主は裁き手なり」。

「《彼女》が好きだったドラマの名前さ」