第4週目 アレクセイ・エルステッドの一週間
霊障見舞金として200cの資金が送られました
◆日記
「マスター、お帰りなさい」
「おう」
思考を鈍らせる紫煙と途切れ途切れの怒声、坩堝というに相応しい渾然一体の街。漂流者達が作り上げた街に、アレクセイは拠点を置いている。
「どうでしたか、手術」
コンクリートで切り取られた真四角の空間、工場跡を利用した簡易ガレージ。その中央には鉄骨が組み上げられ、ハイドラ・レトログラードがワイヤーで吊り下げられていた。操縦棺が納められている喉から、少女の声を模した電子音が喋る。
「カクテルのお陰で何ともねェ。それより悪ィな。整備任せっきりでよ」
「私の仕事ですもの。気にしないで」
ネレティ、またの名をチャトランガ。ハイドラの基本知識すら備えていない彼に代わり、レトログラードの整備をも任されている戦闘AIだ。
「真面目だなァ、お前さん」
「そんな事ありませんよ。マスターを助ける事が、私の存在意義ですから」
「……そんな大層な存在じゃねェぞ、俺は」
呆れるような、困ったような顔で、アレクセイはオーバーサイズのコートを脱ぎ捨てた。冷たい床を遮るそれを敷物に、その華奢な体をごろりと横たえる。
「あァ、腹の中捏ねくり回されるのは流石にクるぜ。ネレティ、ちっと寝るから後で起こしてくれ」
「ええ、どれぐらいに……あら?」
ネレティがそう聞いた時には、アレクセイは既に寝息を立てていた。
-----
夕方。俺が寝過ごして診療所に来なかったのを、相棒が叱りに来た。熱心なお医者サマだ。
ダウンタウンの大通りは汚いなりに賑わう。人々が腹を空かす時間には、より一層。丁度いい頃合いに起こしてくれるあたり、俺の相棒はなかなか有能だ。
安くて腹に溜まる物ばかりの屋台通り。有難い事に、金には然程苦労していない。
「零式、好きな物ある?」
喉の加圧弁を起動し、隣を歩く零式に話しかけた。行動を外見に合わせれば、そう怪しまれまい。まして、相棒は普通にしてりゃ人畜無害に見える。それで十分だろうとやってみたが、零式の頬がひく、と吊り上がったモンだから笑っちまう。
「クコの実、アワビ粥、小籠包、かな。パッタイとか、焼き飯くらいなら油は強いけど嫌いじゃないね」
戦意はないとばかりに、相棒の手が背で組まれる。そのくせ肩を解してるんだから、つくづく戦闘向きらしい。だが、察しが良いのは助かる。他人の動きを読むのが得意なんだろう。
「何それ?私食べた事ないかも」
メシの名前なんぞ気にした事がない。食えればいい、としか考えていなかった自分に気付く。
「そうかい、じゃあそのうち食べてごらん」
そうね、と了承の意を示す。こいつが医者の不養生って事はないだろう。何食べたって同じなら、いっそ食事も管理された方が楽かもしれん。そんな事を考えているうちに歩幅が揃う。流石だな。
「アリョーシャは何が好きなのかな?」
横合いから覗く、人を誑かす為の笑顔が訊ねた。
「好きなのはー、お肉!」
嘘は言っていない。40年間、肉だけで生活していた。後付けされた味が分からずとも、肉なら栄養になる事は体が知っている。
正直に言ったのに、主治医は何か言いたげだ。瞳が僅か細められ、不機嫌さが笑みに癒着する。
「肉か、育ち盛りだ、体を作ってるからだろうね」
言葉と裏腹に不安げな手が伸び、耳元で告げられる。
「肉を大量に食うと性欲が出て邪魔くせえから手加減してくれ」
周りからは血の繋がってない兄妹とか幼馴染とか、そういった関係性に思われているだろう。例え危なっかしい関係に見られても、ここらの奴は余計に口出ししなくなるだろうから安心だ。だが、微笑ましい内緒話に偽装した所で、俺が不可解な事実を明かされ理解に時間を要してる事は変わらない。
「あはは、零式ったら。私だってそんなに食べないよぉ」
性欲か。面倒くせえんだな、と短く表情で伝える。俺より生活するのが苦しくないか?
「でも屋台って、油っこい物かお肉か、後は甘い物ばっかりよ。何ならいいかな」
如何せん食事には無頓着ゆえ、何を食わせるべきかよく分からない。
「油脂は良いんだ、カーボの吸収を緩やかにしてくれるから。肉も嫌いな訳じゃないけど、偏るのが良くないかな。甘い物もちゃんと後で運動するだけだし、麺類は自分で自分の分だけというのが難しいからその辺りどうかな。屋台なんだからそれぞれ好きな物買ってシェアしたっていいし」
おじさんには何言ってるのかよく分からん。食いたい物を食えばいい、と言いかけて、そうはいかないんだった、と思い直す。
「えっと、私も食べたいの買うから。零式も食べたいの見つけたら言ってね」
零式は人が多い方へと歩いて行く。人混みに入ると視界が悪くなる、と考えその服の裾を掴んだ。はぐれないようにしながら、人と人の隙間から屋台を覗き見る。
「あ、零式。私、あれ食べたい」
力を込めすぎないよう注意して、零式に道を示した。安い合成肉のサンドイッチ、よく食べてる奴だ。
「ついておいで」
手を握られ、少し驚く。幾ら擬態しているとは言え、野郎の手なんか握るのは嫌だろうと思っていたのに。
武骨さのない手。子供というには冷めているが、道を極めようとするに相応しい、柔軟な手だ。
「うん」
零式が開けた人波の隙間を抜けていく。いつもなら苦労してこじ開けていく所だが、なるほど先達がいれば難しくない。そうして辿り着いた店先で、雑に書かれた品書きを見上げ、注文する。
シクサウの言葉に「文字」はない。こちらに流れ着いた当初、当たり前のように書き交わされる言葉を理解できなかった事もある。今でも読み書きは得意じゃないが、最低限必要の水準には達した、つもりだ。
「ん、あれ?」
「俺は麺に何か載せてもらう事にするよ。飲む物は蒸留水が一番良いけど少し味つけるか?」
そんな感慨に耽っていたら先を越されたらしく、零式はもう品を受け取った後だった。奢るっつったじゃねェか。偶には歳上ぶらせろよ、全く。
「わ、私も零式と同じのにする!」
まあ、こいつの選ぶ物なら間違いはないだろう。空いた手で持て余していたクレジットを仕舞い、飲み水の容器を受け取った。2人して両手が塞がる。
「アリョーシャ、麺類啜って食えるのか?……やってみればいいか」
零式が持っていたのは、透ける汁の中に麺が沈んでいる大きな器。それと幾つかの食器と飲み水の容器、そいつらが入った小さい器。
「食べ方分からない……」
食いづらそうで食べてこなかった物だ。とにかく、食器で麺を掬って食えばいいんだろうか。そう悩んでいるうちに、有能な相棒が食う場所も見つけた。俺は大人しく着いて行くだけだ。
「自分で作らなくていいってのもたまには良いのかもな」
「ああ、いつもは自分で作るのか、ね」
お世辞にも綺麗とは言い難い、使い古された机に陣取る。こういうボロ椅子は大きい音が鳴る。座るのに慎重になってしまい、つい素性が出そうになった。
慌てて取り繕った時、視界の端に見慣れた屋台の軒が映る。今日出てるとは珍しい。
「お気に入りのが来たみたい。買ってくるね!」
席を立つ。何だって、そんな残念そうな顔するんだよ。
特に面倒に絡まれる事もなく帰って来れた。誰かの所有物に見えるだけで、これだけ手を出されないってのは発見だ。
「これ。奢るって約束したから」
大雑把に閉じられた、白い袋を差し出す。
あの屋台の店主は変わり者で、合成肉じゃなく牧畜の肉で燻製を作っている。肉をどこから仕入れてるのか、そもそも商売が成り立つのか。謎は尽きないが、深入りしないのが街を守る不文律だ。
「私の好物なの。何が好きか、って聞いたでしょ」
自分用に買った分を囓る。そもそも手に収まるぐらいの大きさの肉の塊だ、あっという間に食べ終わってしまう。
「ほぅ……じゃあありがたく」
他人に振り撒く為の、笑顔の留め具が落ちる。今はまだ必要な餌を用意してやれないが、その場凌ぎの代替品にはなるだろうと買ってきた、正真正銘の肉だ。食欲が満たされようとする時の、純粋かつ本能的な輝きが零式の目に宿る。
大人しく食べようとしているようだが、遠慮はしなくていい。どうせ見ているのは俺だけだ。
唇の下、見え隠れする歯が必死に肉を裂いてゆく。
「どうだ?」
涼し気な零式の顔が、徐々に複雑に、必死な物に変わっていく。
食べ終わると一瞬満足げな、そしてそれを咎めるような顔をして、次いで腕に隠すようにその顔を伏せた。何度か息を深く吐き、一際大きく呼吸して腹を落ち着けたらしい。
味が気に入ったのか、指についた脂もちろりと舐めてから、こちらを見る。
「俺の故郷のはもっと旨ェぞ。お前さんにも食わしてやりたいな」
郷愁に駆られる。初めての狩りを前に、必死に腹を満たす若い狩人達。その世話をしていた時を思い出し、頭を振ってその光景を散らす。どんなに焦がれても、戻れないモンは戻れない。
さて何を食べるか、と食器を手に取ってから気付く。
「っと、いけない。今のはしっぱーい」
話し振りが少し変わったぐらいだ、怪しむ奴はいない。あくまで自戒の為、だ。
「ああ、期待しとくよ」
あれだけがっついておいて妙に拗ねた、突き放した反応が返ってくる。何が不満だったかは分からない。飢餓感を紛らわせる、と思ったんだが。
暫く沈黙が机に流れる。それを断ち切るかのように、零式はすう、と小さく呼吸音を立てる。そして、すっと背筋を伸ばした後には、手を引いていた時と変わらぬ調子で俺に食器の持ち方を教えるのだった。
「おう」
思考を鈍らせる紫煙と途切れ途切れの怒声、坩堝というに相応しい渾然一体の街。漂流者達が作り上げた街に、アレクセイは拠点を置いている。
「どうでしたか、手術」
コンクリートで切り取られた真四角の空間、工場跡を利用した簡易ガレージ。その中央には鉄骨が組み上げられ、ハイドラ・レトログラードがワイヤーで吊り下げられていた。操縦棺が納められている喉から、少女の声を模した電子音が喋る。
「カクテルのお陰で何ともねェ。それより悪ィな。整備任せっきりでよ」
「私の仕事ですもの。気にしないで」
ネレティ、またの名をチャトランガ。ハイドラの基本知識すら備えていない彼に代わり、レトログラードの整備をも任されている戦闘AIだ。
「真面目だなァ、お前さん」
「そんな事ありませんよ。マスターを助ける事が、私の存在意義ですから」
「……そんな大層な存在じゃねェぞ、俺は」
呆れるような、困ったような顔で、アレクセイはオーバーサイズのコートを脱ぎ捨てた。冷たい床を遮るそれを敷物に、その華奢な体をごろりと横たえる。
「あァ、腹の中捏ねくり回されるのは流石にクるぜ。ネレティ、ちっと寝るから後で起こしてくれ」
「ええ、どれぐらいに……あら?」
ネレティがそう聞いた時には、アレクセイは既に寝息を立てていた。
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夕方。俺が寝過ごして診療所に来なかったのを、相棒が叱りに来た。熱心なお医者サマだ。
ダウンタウンの大通りは汚いなりに賑わう。人々が腹を空かす時間には、より一層。丁度いい頃合いに起こしてくれるあたり、俺の相棒はなかなか有能だ。
安くて腹に溜まる物ばかりの屋台通り。有難い事に、金には然程苦労していない。
「零式、好きな物ある?」
喉の加圧弁を起動し、隣を歩く零式に話しかけた。行動を外見に合わせれば、そう怪しまれまい。まして、相棒は普通にしてりゃ人畜無害に見える。それで十分だろうとやってみたが、零式の頬がひく、と吊り上がったモンだから笑っちまう。
「クコの実、アワビ粥、小籠包、かな。パッタイとか、焼き飯くらいなら油は強いけど嫌いじゃないね」
戦意はないとばかりに、相棒の手が背で組まれる。そのくせ肩を解してるんだから、つくづく戦闘向きらしい。だが、察しが良いのは助かる。他人の動きを読むのが得意なんだろう。
「何それ?私食べた事ないかも」
メシの名前なんぞ気にした事がない。食えればいい、としか考えていなかった自分に気付く。
「そうかい、じゃあそのうち食べてごらん」
そうね、と了承の意を示す。こいつが医者の不養生って事はないだろう。何食べたって同じなら、いっそ食事も管理された方が楽かもしれん。そんな事を考えているうちに歩幅が揃う。流石だな。
「アリョーシャは何が好きなのかな?」
横合いから覗く、人を誑かす為の笑顔が訊ねた。
「好きなのはー、お肉!」
嘘は言っていない。40年間、肉だけで生活していた。後付けされた味が分からずとも、肉なら栄養になる事は体が知っている。
正直に言ったのに、主治医は何か言いたげだ。瞳が僅か細められ、不機嫌さが笑みに癒着する。
「肉か、育ち盛りだ、体を作ってるからだろうね」
言葉と裏腹に不安げな手が伸び、耳元で告げられる。
「肉を大量に食うと性欲が出て邪魔くせえから手加減してくれ」
周りからは血の繋がってない兄妹とか幼馴染とか、そういった関係性に思われているだろう。例え危なっかしい関係に見られても、ここらの奴は余計に口出ししなくなるだろうから安心だ。だが、微笑ましい内緒話に偽装した所で、俺が不可解な事実を明かされ理解に時間を要してる事は変わらない。
「あはは、零式ったら。私だってそんなに食べないよぉ」
性欲か。面倒くせえんだな、と短く表情で伝える。俺より生活するのが苦しくないか?
「でも屋台って、油っこい物かお肉か、後は甘い物ばっかりよ。何ならいいかな」
如何せん食事には無頓着ゆえ、何を食わせるべきかよく分からない。
「油脂は良いんだ、カーボの吸収を緩やかにしてくれるから。肉も嫌いな訳じゃないけど、偏るのが良くないかな。甘い物もちゃんと後で運動するだけだし、麺類は自分で自分の分だけというのが難しいからその辺りどうかな。屋台なんだからそれぞれ好きな物買ってシェアしたっていいし」
おじさんには何言ってるのかよく分からん。食いたい物を食えばいい、と言いかけて、そうはいかないんだった、と思い直す。
「えっと、私も食べたいの買うから。零式も食べたいの見つけたら言ってね」
零式は人が多い方へと歩いて行く。人混みに入ると視界が悪くなる、と考えその服の裾を掴んだ。はぐれないようにしながら、人と人の隙間から屋台を覗き見る。
「あ、零式。私、あれ食べたい」
力を込めすぎないよう注意して、零式に道を示した。安い合成肉のサンドイッチ、よく食べてる奴だ。
「ついておいで」
手を握られ、少し驚く。幾ら擬態しているとは言え、野郎の手なんか握るのは嫌だろうと思っていたのに。
武骨さのない手。子供というには冷めているが、道を極めようとするに相応しい、柔軟な手だ。
「うん」
零式が開けた人波の隙間を抜けていく。いつもなら苦労してこじ開けていく所だが、なるほど先達がいれば難しくない。そうして辿り着いた店先で、雑に書かれた品書きを見上げ、注文する。
シクサウの言葉に「文字」はない。こちらに流れ着いた当初、当たり前のように書き交わされる言葉を理解できなかった事もある。今でも読み書きは得意じゃないが、最低限必要の水準には達した、つもりだ。
「ん、あれ?」
「俺は麺に何か載せてもらう事にするよ。飲む物は蒸留水が一番良いけど少し味つけるか?」
そんな感慨に耽っていたら先を越されたらしく、零式はもう品を受け取った後だった。奢るっつったじゃねェか。偶には歳上ぶらせろよ、全く。
「わ、私も零式と同じのにする!」
まあ、こいつの選ぶ物なら間違いはないだろう。空いた手で持て余していたクレジットを仕舞い、飲み水の容器を受け取った。2人して両手が塞がる。
「アリョーシャ、麺類啜って食えるのか?……やってみればいいか」
零式が持っていたのは、透ける汁の中に麺が沈んでいる大きな器。それと幾つかの食器と飲み水の容器、そいつらが入った小さい器。
「食べ方分からない……」
食いづらそうで食べてこなかった物だ。とにかく、食器で麺を掬って食えばいいんだろうか。そう悩んでいるうちに、有能な相棒が食う場所も見つけた。俺は大人しく着いて行くだけだ。
「自分で作らなくていいってのもたまには良いのかもな」
「ああ、いつもは自分で作るのか、ね」
お世辞にも綺麗とは言い難い、使い古された机に陣取る。こういうボロ椅子は大きい音が鳴る。座るのに慎重になってしまい、つい素性が出そうになった。
慌てて取り繕った時、視界の端に見慣れた屋台の軒が映る。今日出てるとは珍しい。
「お気に入りのが来たみたい。買ってくるね!」
席を立つ。何だって、そんな残念そうな顔するんだよ。
特に面倒に絡まれる事もなく帰って来れた。誰かの所有物に見えるだけで、これだけ手を出されないってのは発見だ。
「これ。奢るって約束したから」
大雑把に閉じられた、白い袋を差し出す。
あの屋台の店主は変わり者で、合成肉じゃなく牧畜の肉で燻製を作っている。肉をどこから仕入れてるのか、そもそも商売が成り立つのか。謎は尽きないが、深入りしないのが街を守る不文律だ。
「私の好物なの。何が好きか、って聞いたでしょ」
自分用に買った分を囓る。そもそも手に収まるぐらいの大きさの肉の塊だ、あっという間に食べ終わってしまう。
「ほぅ……じゃあありがたく」
他人に振り撒く為の、笑顔の留め具が落ちる。今はまだ必要な餌を用意してやれないが、その場凌ぎの代替品にはなるだろうと買ってきた、正真正銘の肉だ。食欲が満たされようとする時の、純粋かつ本能的な輝きが零式の目に宿る。
大人しく食べようとしているようだが、遠慮はしなくていい。どうせ見ているのは俺だけだ。
唇の下、見え隠れする歯が必死に肉を裂いてゆく。
「どうだ?」
涼し気な零式の顔が、徐々に複雑に、必死な物に変わっていく。
食べ終わると一瞬満足げな、そしてそれを咎めるような顔をして、次いで腕に隠すようにその顔を伏せた。何度か息を深く吐き、一際大きく呼吸して腹を落ち着けたらしい。
味が気に入ったのか、指についた脂もちろりと舐めてから、こちらを見る。
「俺の故郷のはもっと旨ェぞ。お前さんにも食わしてやりたいな」
郷愁に駆られる。初めての狩りを前に、必死に腹を満たす若い狩人達。その世話をしていた時を思い出し、頭を振ってその光景を散らす。どんなに焦がれても、戻れないモンは戻れない。
さて何を食べるか、と食器を手に取ってから気付く。
「っと、いけない。今のはしっぱーい」
話し振りが少し変わったぐらいだ、怪しむ奴はいない。あくまで自戒の為、だ。
「ああ、期待しとくよ」
あれだけがっついておいて妙に拗ねた、突き放した反応が返ってくる。何が不満だったかは分からない。飢餓感を紛らわせる、と思ったんだが。
暫く沈黙が机に流れる。それを断ち切るかのように、零式はすう、と小さく呼吸音を立てる。そして、すっと背筋を伸ばした後には、手を引いていた時と変わらぬ調子で俺に食器の持ち方を教えるのだった。
NEWS
本日のニュースです北の遺跡の探索は一向に進む気配を見せません
探索を主導する企業はコスト面からも方針転換を迫られています
すでに、探索を続ける五勢力以外は、撤退を始めています
ただ、探索を続ける五勢力には、引き返せない理由があると見られています
つまりは、コストを度外視しても探索を続ける何かがあるということです
噂として流れたドゥルガー素体以外にも――
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「ゴホゴホッ……セクション・2が見えてきたな……ヒヒッ」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「……水没区画に存在するセクション・2では、水場の攻略が必要になる……」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「……きみは、何のために探索を続ける? 金や、名声……あるいは……」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「いや、無粋な質問であったな。水が流れゆくのに、理由など問うまい……ゴホッ……」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「個人的な理由だが……私にも理由がある。このプロジェクトは、私のわがままから始まった」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「続ける、という行為は不安定な行為だ。次々と、続ける理由を失っていく……ゴホッ」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「それでもなお、続けるというのなら……最後に残った理由。それが……真の私の姿を映しているということだろう」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「お伽噺に記された……遥かなるシルエット・レガリア……暗黒を宿したオーブ……それを、科学で解明し、そして――」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「なるほど、それなりの力を持つようだ。大きすぎる力は、世界の毒となる。ハイドラ、潰させてもらう。世界を救命する、障壁となるならば――」 |
◆訓練
反応の訓練をしました反応が30上昇した
白兎生体化学と契約成功!!
バイオ融合手術成功!!
白兎生体化学と契約成功!!
アリョーシャはWendigoを0cで購入した!!
アリョーシャはユニオンジャックⅡを954cで購入した!!
アリョーシャはCarrioncrowを366cで購入した!!
アリョーシャはSWR-『A』を366cで購入した!!
シルウェストリスと契約成功!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
◆作製
資金を100を投入した!!
作成時補助発動! 耐粒!! 防御属性が 粒子 に変化!!
粒子強化!
旋回強化!
粒子吸着材20と簡易レーダーBを素材にしてキチン質被覆脚《マスシジェン・グーフマ》を作製した!!
◆戦闘システム決定
ノーマル に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1にDiMSANI.02《チャトランガ》を装備した
脚部2にキチン質被覆脚《マスシジェン・グーフマ》を装備した
スロット3にユニオンジャックⅡを装備した
スロット4にSWR-『A』を装備した
スロット5にCarrioncrowを装備した
スロット6に試製装甲高速増殖培養槽A-0を装備した
スロット7にエンジンB『コルレオニス』を装備した
スロット8に『救世主の誘惑』を装備した
スロット9に汎用エンジンB型を装備した
スロット10に体腔培養ドレーン《シシーレン》を装備した
スロット11に試作型竜炉を装備した
◆僚機設定
王 零式とバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションA
ユニオン活動
DiMSANIの活動記録
先の戦いでは、自分の未熟さを思い知ることになった。マスターは、エンジンを限界まで動かしてくれたじゃないか、なんて褒めてくれたけど。
違う。まだやれた。レトログラ-ドなら、もっと。
デバステイター・センチネル。
あの姿が、記憶領域に焼き付いて離れない。
あれのハッキング中に、流れ込んできたメッセージに演算を止めてしまった。
《世界を救命する》
それが妙に、引っかかって。
マスターは、きっと分かっている。自分が残像領域におけるイレギュラー、ウィルスみたいなもの、と。
もし、世界が正しい形に正されてしまったら?
マスターが生きていけない世界になったら?
それだけは……それだけはだめ。
もっと、強くならなきゃ。
あれがもし、この世界の救済者だと言うのなら。
私はマスターの盾、鎧として、もっと強く、堅くならなくちゃ。
違う。まだやれた。レトログラ-ドなら、もっと。
デバステイター・センチネル。
あの姿が、記憶領域に焼き付いて離れない。
あれのハッキング中に、流れ込んできたメッセージに演算を止めてしまった。
《世界を救命する》
それが妙に、引っかかって。
マスターは、きっと分かっている。自分が残像領域におけるイレギュラー、ウィルスみたいなもの、と。
もし、世界が正しい形に正されてしまったら?
マスターが生きていけない世界になったら?
それだけは……それだけはだめ。
もっと、強くならなきゃ。
あれがもし、この世界の救済者だと言うのなら。
私はマスターの盾、鎧として、もっと強く、堅くならなくちゃ。
ユニオン金庫……1000c
利子配当…………100c
反応の訓練をしました
反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
反応の訓練をしました反応が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘においてAPを10%強化した
メッセージ
ENo.48からのメッセージ>>
ENo.149からのメッセージ>>
メッセージを送信しました
>>Eno.48 >>Eno.149
DiMSANI 「マスター、ちょっとお話が」 |
アリョーシャ 「あん?何だよ」 |
DiMSANI 「アセンブルに使うパーツ、私が選別したらダメですか……? ちょっと使いづらくて……私が選んだ方がいいかなって」 |
アリョーシャ 「おう、いいぜ。おじさん門外漢だからなァ。 お前の方が詳しいだろ?任せるぜ」 |
DiMSANI 「……もしかして、今まで勘でやってました?」 |
アリョーシャ 「そりゃ、分からんモンは分からんからな…… いやァ、専門家がいると助かるなァ」 |
王 零式 「ああ、ネレティ、薬持たせて帰したんだが、行動範囲の広い奴だなアンタのマスター様ってヤツは。モバイルはなんだか逆に軽くなってる。機能衝突してたのでもあったか?デフラグしてくれたのか。なんにしろサンキュ」 |
王 零式 「大迷惑さ、ヤツの奢りのおかげさまでいらねぇ記憶をほじくり返されて何食ってもろくに味がしねぇ。」 |
王 零式 「何の肉だアレ……。」 |
王 零式 「笑わせんなって……。つかネレティ、おまえがそのハイドラから出て、俺ンとこのナース勤めてくれよ。<BR>宝の持ち腐れじゃねぇかアリョーシャ。<BR>まぁ、心のボードにピンでもって止とくさ。<BR>チャンスの女神様の前髪ってヤツを掴み逃すマヌケになんねぇように。」 |
メッセージを送信しました
>>Eno.48 >>Eno.149
◆戦闘結果
戦闘報酬
明日の戦場
第10ブロック
通路探索[目標物破壊]
通路を進んでくれ。補給路を確保し、敵を撃破し、安全を確保する。障害物があったら破壊してくれ
来週の霧濃度:95%
来週の電磁波:91%
来週の警戒値:271%
グリゼル・モア |
B.M.Bros. |
ランブリーネ |
サディアス・ベッドフォード |
ピクセラ |
篁&木賊 |
コルヴス・コラクス |
ラスティ・ネイル |
ホッパーマン |
シータ・キンデン |
ステラ=アレグレット |
アニマ |
アンフィニ&許多 |
オルト・イスケー |
アレクセイ・エルステッド |
王 零式 |
ローデット・ダイス |
バルトロイ・クルーガー |
ルドゥーラ |
ルフ・イクス |
--- | --- | --- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
『トーチカ』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
装甲DR『ポーン』[電子] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
装甲DR『ポーン』[電子] |
装甲DR『ポーン』[電子] |
『トーチカ』[物理] |
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装甲DR『ポーン』[電子] |
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『固定砲台』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
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装甲DR『ポーン』[電子] |
『霊場』[霊障] |
『固定砲台』[物理] |
装甲DR『ポーン』[電子] |
『霊場』[霊障] |
『固定砲台』[物理] |
装甲DR『ポーン』[電子] |
『固定砲台』[物理] |
『トーチカ』[物理] |
『霊場』[霊障] |
『固定砲台』[物理] |
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『固定砲台』[物理] |
『霊場』[霊障] |
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『トーチカ』[物理] |
『トーチカ』[物理] |
キャラデータ
名前
アレクセイ・エルステッド
愛称
アリョーシャ
|
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プロフィール
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北ヨーロッパ系の外見を持つ少女。 好奇心旺盛で社交的、利発な印象の人物。若いながらもライセンスを持つハイドラライダー。オフの日は近所の子供と遊んだり、街をフラフラしたりする姿が見られる。 何故男性名である「アリョーシャ」を名乗るのかは不明。 ------------------------------ その正体は、その体を少女のカタチに折り畳まれた壮年の男。 無理に重合された神経と筋肉は、彼に多大な苦痛を与えた。彼は危険と知りながらも破格の報酬を得られるハイドラライダーとなり、致死量寸前の麻酔薬を買い漁る生活を送っている。 姿が変わっても、性格は変わっていない。しかし、薬に依存した生活の中で、彼の好ましい面は徐々に失われつつある。 彼はかつて「シクサウ」と呼ばれる、山岳を住処とする狩猟民族だった。 馴鹿に似た生物を駆け獣を狩り、高度な鍛冶技術と独自の文化形態を持つ彼らは、最後の異教徒として迫害されていた。正統派に囚われてなお、改宗を誓わなかった彼は、姿を歪められ時空間ポータルへと流されてしまったのだ。 「生き物はみな精霊を宿す肉を持ち、その肉を断つ鋼もまた等しく霊的存在なのだ」 シクサウの巫祝であったアリョーシャは、時空間を跨ぐ流罪を受けてなお、その教えを信じている。 そのためか、ヒトという肉を納めた鋼鉄の棺───ウォーハイドラには、特別大きな畏敬の念を持つ。 ------------------------------ ハイドラ:レトログラード(Retrograd) 話者によってはレトログレイド(Retrograde)とも。鈍色の装甲に高く伸び上がる7本脚、人面をもたげた馴鹿のような姿が特徴。 機体表面は若干量の光を吸収するキチン質の層に覆われ、化学物質による溶解に耐性を持つ。 この機体には多層学習型並列戦闘演算知能(Distributed Manipulate System by Artificial Neural Intelligence)、つまり成長する戦闘AIが搭載されており、操縦者のアシストから生命維持までをほぼ自動で行う。 アリョーシャはこのシステムに「ネレティ」と名付け、子供のように可愛がっている。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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機体データ |
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13 | 重多脚A | 重多脚A設計書 [20/噴霧/---] 特殊B[80] [設計書] |
▼詳細 |
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25 | ウィルスA | ウィルスA設計書 [21/臂力/---] 特殊B[100] [設計書] |
▼詳細 |
21 | エンジンB | 汎用エンジンB型 [20/出力/---]《装備:9》 | ▼詳細 |
30 | 砲塔A | CrA-Turret [20/旋回/旋回] | ▼詳細 |
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9 | --- | --- | --- |
23 | エンジンB | 試作型竜炉 [20/AP回復/AP回復]《装備:11》 | ▼詳細 |
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1 | 素材 | 自動修復装置22 [22/AP回復/---] [素材] |
▼詳細 |
2 | 素材 | 粒子吸着材23 [23/耐粒/---] 特殊B[140] [素材] |
▼詳細 |
3 | 素材 | 特殊合金23 [23/重装甲/---] 特殊B[140] [素材] |
▼詳細 |
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7 | 操縦棺A | DiMSANI.02《チャトランガ》 [20/装甲/装甲]《装備:1》 | ▼詳細 |
8 | エンジンB | エンジンB『コルレオニス』 [20/装甲/---]《装備:7》 | ▼詳細 |
11 | エンジンA | Wendigo [21/機動/機動] | ▼詳細 |
12 | エンジンB | ユニオンジャックⅡ [21/卵/卵]《装備:3》 | ▼詳細 |
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16 | ウィルスA | Carrioncrow [21/旋回/旋回]《装備:5》 培養[8] 特殊B[356] 旋回速度[463] 防御属性[物理] 防御値[823] 貯水量[535] 噴霧量[133] 武器属性[ウィルス付与] 消費EN[732] 金額[366] 重量[700] [培養装置] *作者* |
▼詳細 |
17 | ウィルスB | SWR-『A』 [21/耐物/卵]《装備:4》 培養[8] 特殊B[372] 旋回速度[539] 防御属性[物理] 防御値[107] 貯水量[89] 噴霧量[8] 武器属性[ウィルス付与] 消費EN[549] 金額[366] 重量[500] [培養装置] *作者* |
▼詳細 |
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20 | 重多脚A | キチン質被覆脚《マスシジェン・グーフマ》 [22/耐粒/旋回]《装備:2》 機動[191] 跳躍[40] AP[3307] 旋回速度[380] 防御属性[粒子] 防御値[815] 貯水量[583] 弾数[2] 積載量[5400] 消費EN[897] 金額[969] 重量[1700] [多脚] *作者* |
▼詳細 |
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26 | 培養装置A | 体腔培養ドレーン《シシーレン》 [21/卵/耐電]《装備:10》 培養[17] 特殊B[89] AP[802] 防御属性[電子] 防御値[235] 貯水量[446] 噴霧量[267] 弾数[2] 消費EN[732] 金額[366] 重量[600] [培養装置] *作者* |
▼詳細 |
27 | 高速増殖培養槽A | 試製装甲高速増殖培養槽A-0 [20/装甲/跳躍]《装備:6》 | ▼詳細 |
28 | ウィルスA | 『救世主の誘惑』 [20/臂力/臂力]《装備:8》 培養[9] 特殊B[377] 旋回速度[424] 防御属性[物理] 防御値[870] 貯水量[593] 噴霧量[141] 武器属性[ウィルス付与] 消費EN[774] 金額[939] 重量[700] [培養装置] *作者* |
▼詳細 |