ENo.0071　アキラ・ハリアエトゥス

話が違う。いや、待って欲しい。話が違いすぎる。

遺跡が移動してるっていうのは分かる。振動だとか加速度センサーとかの動きが証拠だ。
分かりたくはない。


ドゥルガーの素体を探してくるというつもりで俺はここに突入してきた。
というか俺以外のライダーも全員そうだったはずだ。

なのだがよく分からない内に遺跡が歩きだしているとか、遺跡そのものがドゥルガーの身体だったのだとかいうニュースが入ってきた。
くそ、また撃墜された“パンディオン”を直すのに必死で最初の立ち上がりに気づけなかった。


しかし、なんというかしてやられたって気分だ。
企業の連中は知ってたのか？少なくとも俺は、遺跡が変形してドゥルガーになりますなんて想像だにしてなかった。
メルサリアのリグ・ドゥルガーみたいな素体が遺跡の奥深くに眠ってるもんだと思ってた。

それがなんだ、こんなの霜の巨人よりでかいんじゃないのか？


「戦うとして物理的に壊すのは現実的じゃなさすぎる……中枢とかそういうのがあるのか？」


ラジオからはバラエティ番組だとかニュースだとか企業からの連絡だとか、色々なものが混線して垂れ流しになっている。
“サルガッソー”の物資があれば十分だろうとか言ってるのも聞こえるが、簡単に言ってくれやがるのはどこの企業だ？


正直来るんじゃなかったと今絶賛後悔中だ。
しかし同時に、今ここにいる俺たちだけに世界を動かす資格があるのだと思うとこみ上げてくるものもある。

「ノせるのが上手いって言うべきか……とにかく、“パンディオン”を動かせるようにしとかないとな」

やれと言われてやるのは癪ではあるが、多分、こういう状況は嫌いではないんだろう、俺は。

廃棄された様々なものが集まり、
それを目当てに人々が集まり、
集まるために様々な建物が増えていった地区。
ハイドラパーツの素材になりそうな質の資材も転がっているようだ。







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