ENo.0195　ココロ持つ機械『ドラーゲ』

発　Drage
宛　黄金さん

こちらドラーゲ、これより電文とパーツの送品、開始。

今回のサンプル品は装甲。5年前にもあった、霊障装甲タイプAで、設計元はヒルコ教団。……ある意味、一番「らしい」設計元。データの解析は行ったが……この装甲を使って霊障攻撃をどう防ぐのか、解析難航。ひょっとしたら「魔法」とかなら解析できる可能性有。本機……私は使用不能なので確かめる術は無。後から開発者がつけたと推測されるサブ機能である、バイオ兵器に関連する機能ならなんとか、という所。参考になるかは不明。

戦闘中、墜落し、行動不能になったものの……なんとかドゥルガーの撃破には成功。現在、脱出の準備を整えながら、グレムリンの討伐準備中。幸い、戦闘終了までには機能が一部回復し、離脱に成功したものの……飛行ユニットが使用不能になった。オーバーロードの際に干渉を確認、一度接続を切ったせいもあるかもしれないが……。ただ、敵性反応及び通信の混戦はまだ有。ドゥルガーに関してはまだ終わりでない可能性。もう一波乱くらいは存在。
なお、こちらにはいなかったが……ヒルコ教団幹部、ネコが殉職した模様。遺体は残らなかったらしいが……どうも乗っていた『ハイドラ』そのものに殺された可能性有。特殊なものに乗っていたため、という推測も存在。しかしこちらも注意しなければならない可能性も浮上。

ハイドラは一応応急措置は終了。重装甲仕様のため、戦闘継続は可能。以前までの機体なら、ここで単体での脱出を与儀なくされていた可能性有。これでグレムリンと呼ばれる兵器に挑むのは信頼性が薄い可能性高、しかし出撃しないわけにもいかない。

……目的は果たせない可能性は高いが……世界としての役割は終わって、ひょっとしたらもう少しすれば帰れる、かもしれない。元々こちら出身で、部外者なのに帰るというのは不適当の可能性有。どちらかといえば、『またお世話になる』のほうがいいのかも。
そうなったとき、どういう話をしようか。まだ検討中。期待は……あんまりしないでほしい。

今回の通信はここまで。次はグレムリンの結果報告、になるのだろうか？　必ずしも成功するとは言い難いため、良い報告になるかは不明。
以上、Over。

移動型ガレージ。
この手の機種は本来、フリーランサーの稼ぎでは手が届きにくいとされている。
設備も上質な品が揃っており、これを調達するための金の流れに妙なものを感じるかもしれない。