ENo.0276　ローデット・ダイス

ヒューマノイドを作る、それがニーユからのヴァリアブルを探す代わりに頼まれたものだった。
だが、正直言って0から作るとなると今の整備士では無理だろう。
あいつは完成品あってこそ調整が出来るわけで、作るとなると話は別だ。
そうなると考えられる方法は一つで、ダイスは深い溜息をついた。


「邪魔するぞ」

「……珍しい客が来たものだ、てっきり二度と姿を見せないものかと思ってたよ」

「ああ、用件さえなければ来るつもりなんてなかった」


訪れた先はダイスを作った人物。
そう、ダイスの片眼を売った人物でもある。


「それで、用件は？」


「ヒューマノイドを一体、この写真と資料を参考に作れ。代金はテメエの金だ」


「頼むのにこっち持ちか――」


「アンタは人の眼を勝手に売ったんだ。さぞかし懐に余裕があるだろうよ！」


「……だからと言ってお前の金じゃないだろう」


「あれは私の眼だ！文句言わせねえからな！！」


「人に頼む態度か、やれやれ……」


「こっちは用件さえなければ二度と来たくなかったさ」


「それで、探し物は見つかったか？」


「……お前に知らせる義理はねえよ」


「その様子だとまだ見つかってないらしいな」


「うっせえな！さっさと頼んだモノ作れってんだよクソジジイ！！」


「……やれやれ」


ああ、苛々する――

とあるものを求める為の集まり場。
それが何であろうと構わない、情報収集の場でもある。


制御*5、ユニオン購入は適当