ENo.0092　ジュネリア＝ハーヴェスト

端末に表示される情報を読み込む。
ジュネリアの指定していた条件を満たすライダーは残像領域に多数いる。
ユニオンに所属していないライダーというのはかなり少ない。少なくとも、残像領域に慣れたライダーはなおさらだ。
送られてきている僚機候補は当然僚機がおらず、なおかつフリーで僚機を探しているライダーばかりだ。
僚機登録システムを利用しないライダーも多い。それが意図的なのか知らないだけなのかを判別する方法はあまりない。
集まった候補をユニオン規模、アセンブルと戦場での作戦構築の負担割合などでふるいにかける。

完全に一致する相手などそうはいないだろうから最終候補を何人か抑えておくなど考えていると、条件にほぼ適合するライダーがいた。
ENo.46　ファティマ
登録内容は簡素だが車輪型機動力重視の索敵型で、所属先がMANOBOTTOLINGだ。
MANOBOTTOLING、マノ社というと残像領域のユニオンとしてはかなりの規模と社員数を誇る。
つながりをもてればより情報を得やすくなるかもしれない。
自分の記憶と照らし合わせても可能性は低いと判断できる。
すぐに端末から僚機の申請を送信する。

簡単な音声メッセージを添付すると、作戦と方針をまとめる。
コロッセオの準備はあまり要らないだろうが前回試した重装式の次を試す必要がある。
5年前に使用した、軽装型。
軽装といっても前回はアクラネシアを旧式フレームに移しパーツを組み合わせただけのものだ。
今回もパーツの性質を確認しながらにはなるだろうが、あのときよりはよく動けるだろう。
となると、必要なのは索敵情報か。重装と違いアクラネシアの機動性が高く、攻撃を仕掛けるタイミングも異なる。
正確な敵の位置を把握することはなにより重要だ。
つまり彼女の腕を確かめるのにちょうどよい状況だ。
ジュネリアとしても高速戦闘を得意とするハイドラとの共闘はアキラのパンティオンとの経験がある。
連携自体はそう難しくはないだろう。
音声メッセージとして作戦と方針をまとめる。文面にするよりは手間がかからない。

後は、本格的に音声システムを運用しましょうか。

アクラネシアに搭載した新たな機体捕捉システムの運用の為に、提供してもらう敵機情報に注文を追加する。
「それから、敵機情報は音声を中心にまとめてください」
録音を済ませると僚機登録のあいさつ文とは別にファイルにして送信する。

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ただ射撃を行う