ENo.0160　Strav Quasar

懲りない私の話を聞いてくれ。いや、これは誰かが見るものじゃないんだがな。

遂に装甲値が2000を切った。
もとより当たれば死ぬのなら、いっそ当たらなければいいという判断は間違いではない。私はそう思っている。
今まで奇跡的に落とされていない。だから、落とされることについて適当に考えているわけでは決してない。が、一般人は酔狂だと言うのかもしれない。
生憎、ここの人間はまともじゃない方が多い気がしている。敵を全力で煽りながら戦う奴、バイオ兵器を愛でる奴、採算の取れないような火器を放つ奴、敵の攻撃を受けたがる変態、マグスの為に出力系統を切ってしまう奴……列挙すればキリはない。
好きでこんなことしてる奴は他人の言葉は聞きもしないし、それでいいとは思う。

私は、いい加減にどうにかしたいと思ってはいるのだが。
少ないが家族はいる。血の繋がった家族はただ一人だが、だからこそ死んだら、アイツには誰も残らない。
実の妹を遺して死ぬのは気分が悪そうだ。一方で、もはや中毒、ジャンキーになってどうにかできるか、それは一人では無理かもしれない。
言ってしまうなら、死ななければいいと思ってしまう自分のせいだ。心配かけていると考える。その次の瞬間には慣れただろうとタカを括る。
自分の感性で物を考える以上は、駄目かもしれない。

ここに来て、さらに悪化している気はする。
前向きに考えるのなら、「変化」の余地はあるだろう。良くも、悪くも。

「こんにちは！セクション1の攻略が済みましたね！」

「皆さんの各企業ブロックでの活躍、本当にありがたいです。新製品のアイスも好評らしいですし。」

「ところで……そちらのえびさん？はどうやら5年前のデータにもいらっしゃるようで…えびっこさんと言うのでしょうか」

「よろしくお願いしますね！」

カメラを近づけ、モニター越しに手を振った。