ENo.0022　アグロヴァル・エッフェンベルグ

【！】次回のミッションリストを受信致しました【！】

企業から偵察連絡の報告が上がって来たので、タブレット端末でそれを確認する。
……瞬間、それを取り落としそうになる。

　　術導DR『ドゥルガー』

元々霊障や火炎の類にはいい印象が無かったのもあるが、
5年前にこれと当たって大変な目に遭った戦場があった事を俺は知っている。

……ひやり、と一瞬冷や汗が流れた気がする。

自分が5年前に当たった時は2体ほどだけだった気がするが……今回は違う、その3倍以上だ。
……現在の機体状況で、どれだけ戦えるだろうか……？
答える者は誰もいない。 深夜のリビングで頭を抱えかける。

幸いクレジットには多少の余裕がある。
これを元手に、一時的に手を組める人と連携して切り抜けられないだろうか。

そうとなったら早く動くに限る。 一度だけの関係であろうと、僚機を組む場合は特に。
戦場で同じグループになった者の確認、アセンブルの見直し、作戦のすり合わせ……
この局面をいかに『上手く』切り抜けるかが、今後に関わってくる気がしてならない。

5年前にソリトゥスがどんな事をしてくれたかを思い出しつつ、僕がやるべき事を慎重に考えなければ。

正式名称は『フラーレス(F) ワールド(W) アドベンチャラー(A)』である。
『フラーレス世界旅団』と言う別称もあるが、特にどっちで呼べと言う事はない模様。

とある世界にて、世界間の移動を自由に行う方法を確立させた人物が、
己の探求心・知識欲を満たす為に作りだした個人的秘密組織。
構成員は設立者を含め5人ほどと規模は小さいが、あくまで趣味の範囲なのでその程度で良いらしい。

組織の正式な構成員には、設立者の部下として様々な世界の調査を命じられる……と言うと堅苦しいが、
特に調査の期日等は存在せず、自由に旅して良い位の緩さである。
調査する手が足りないと言うのであれば、派遣された構成員が現地で手伝ってくれる者をバイト感覚で雇う事も認められている。

定期的、不定期に関わらず専用の端末でデータ送信をすればある程度の収入が約束され、
活動拠点としてどんな世界からでもアクセス可能な部屋を支給される。 ホワイトだね！(？)

余談ではあるが、
『組織名？ 万が一所属を聞かれた時名乗るのに必要だから作っただけで、通称は略称で文字数少ない方にしただけよ』
とは設立者の弁。

今回の戦場でも面白そうな事になる気配がした為、バイト感覚で来てくれた人に対しても可能な限りのバックアップを約束している。
具体的に言うと、この残像領域の調査時には多少広い程度の居住空間と、不自由ない程度の食糧(主に食材)が提供される。
……料理が出来ない人はどうするか？ 支部長(仮)のアグリオ(22)にでもたかりに行くと良いよ！！