ENo.0022　アグロヴァル・エッフェンベルグ

とにかく、先日の質量を伴った次元潜行事件(と、勝手に名付けた)の件が同居している2人にバレていなくて少しホッとした。
バレれば確実に心配されるだろうし、今回の仕事が残像領域での活動である事までバレてしまう事が気掛かりだったからだ。

幸い、接触したマギカマキナ出身のライダーは二人の事を特に追ってはいなかったようなので大丈夫だとは思うけれど……
それでも、二人を再び戦場に誘うか？ と問われれば、答えはノーである事だけは変わらない。
ソリトゥスを思い切り走り回らせてやるには申し分ない環境ではあるのだが、あの二人の事だ。
俺が心配しようがしなかろうが、二人一組でソリトゥスに乗って出撃するだろうし、
恐らく、ソーナちゃんは必要とあらば歌姫の力を行使するのに躊躇はないだろう。

……僕は、それが怖いのに二人は気付いているのだろうか？
護るべき対象と共に戦う事は構わない。 けれど、無理をさせてしまう事は己の実力不足でもある。
僕の実力不足であるだけなら一向に構わない。 でもその結果として護るべき対象が傷付く事が恐ろしい。
それで危険から遠ざける……と言う事は間違っているのかも知れないけれど、それでも彼等が無茶をするよりはマシだと考えてしまう。

それが僕の未熟さと言うか、甘さなのだろうけれど。
やはり、兄上や姉上達のような強さを持つ騎士にはなれそうにもない。
カレンさんの所で自由にやらせて貰っていると、時々そう思うのだった。

正式名称は『フラーレス(F) ワールド(W) アドベンチャラー(A)』である。
『フラーレス世界旅団』と言う別称もあるが、特にどっちで呼べと言う事はない模様。

とある世界にて、世界間の移動を自由に行う方法を確立させた人物が、
己の探求心・知識欲を満たす為に作りだした個人的秘密組織。
構成員は設立者を含め5人ほどと規模は小さいが、あくまで趣味の範囲なのでその程度で良いらしい。

組織の正式な構成員には、設立者の部下として様々な世界の調査を命じられる……と言うと堅苦しいが、
特に調査の期日等は存在せず、自由に旅して良い位の緩さである。
調査する手が足りないと言うのであれば、派遣された構成員が現地で手伝ってくれる者をバイト感覚で雇う事も認められている。

定期的、不定期に関わらず専用の端末でデータ送信をすればある程度の収入が約束され、
活動拠点としてどんな世界からでもアクセス可能な部屋を支給される。 ホワイトだね！(？)

余談ではあるが、
『組織名？ 万が一所属を聞かれた時名乗るのに必要だから作っただけで、通称は略称で文字数少ない方にしただけよ』
とは設立者の弁。

今回の戦場でも面白そうな事になる気配がした為、バイト感覚で来てくれた人に対しても可能な限りのバックアップを約束している。
具体的に言うと、この残像領域の調査時には多少広い程度の居住空間と、不自由ない程度の食糧(主に食材)が提供される。
……料理が出来ない人はどうするか？ 支部長(仮)のアグリオ(22)にでもたかりに行くと良いよ！！