ENo.0266　フレデリック・ボウマン

「以上が報告にあったものです」
「そうか……」

所属するユニオンＤ２には艦ごとにセクション分けがされている。
艦ひとつがそのまま拠点になっているのだ。
そのうちの一つが先日破壊された。遺跡のセクション踏破の時間と一致する。

「少佐、これは……」
「おそらく”オリジナル”の１つが現れたに違いない。」

「オリジナル……かつて、異世界より齎されこの世界で発芽したユニット。３つのうちの１つ。確か事故で紛失していたと……」
「オリジナルを整備し、運用できるのは我々か……もう一人しかいない。」

かつての同胞。世界のエネルギー問題に対して共に立ち向かうと約束した……かつての仲間。
彼と共に作ったオリジナルをもとにこの世界ではいくつかの動力制御ユニットとしての
サンプルが製造され、ユニオンが保有するハイドラには搭載されている。

故に、そのレプリカを通してオリジナルの存在とで共鳴した
先日の現象と結び付けられる。かつての同胞にして離反者は遺跡の方向にいるのではないかと。

「幹部会では新たに派遣部隊を増やすとのことだが……君達の出番も近いかもしれない。」
「はい。」

「力。人をここまで呼び寄せ争わせるとは……何も変わらないものだ。どこの世界でも、どの時代でも」

誰に言うわけでもない。男はただ何かを想い、デスクの写真に目を移す。
かつての同胞と共に、未来へ希望に満ちていた時間を切り取ったその写真を
絶望から立ち上がり未来を望んだあの時間を……

民間練大隊Division:Dは禁忌戦争後に高まるウォーハイドラとライダー需要から設立された
軍事教育と目的とした民間軍事会社です。

教練を受ける資格はライセンスの所有
また教練を行う資格もライセンスの所有です。

また教育をうけたライダーに仕事を斡旋することも業務に含まれており
現在は訓練及び実地訓練、そして遺跡への威力調査及び収集を目的としています。

尚、現在探査の都合上いくつかの地上艦艇が派遣作戦指揮所となっています。
業務上全て公示されているわけではありませんが【ラングレー】【Ａヒッパー】【インディアナポリス】の所有を公表しています。

・セクション

【残像領域本部】━【派遣事業部】━【各派遣調査部隊】
　　　　　　　　━【基本教練部】━【各教練部隊】

※現在は制御訓練特化ユニオンです。