ENo.0266　フレデリック・ボウマン

「……」

香が焚かれている。白檀の香木が。
死者の冥福を祈り、死後の安寧を願う。

このような悲しみは何故生まれるのだろう。
若き頃から問い続けてるこの問いに、答えはない。

いや、存在はしている。
この残像領域の世界ではより顕著である。人は人の欲望のままに力を求めて
世界を食い、人を食い、そして世界を変えて……また変容させようとしている。

企業という力、ウォーハイドラという力、そして禁忌……
霧の中でまた……渦巻く欲望。欲が世界を動かすのは真理でもある。
しかし世界を滅ぼすのもまた……と。

そうした世界を変えたいと願ったのはいつだろうか。
願い、そのための未来を見たのはいつだったか。
今となっては途方も無い道に入ってしまったのかもしれない。

しかしこの歩みをやめては、それこそ救われるものも救えるものもない。
戦い続けなければならない……より、よく変えていくために。


「遺跡の探索。そして彼を見つけなければならないな……」

彼は再び私と共に来てくれるだろうか。かつて私と争いの輪廻を断ち切ろうとした彼は……


「……」

古びたラジオがある。そう……なんてことない。
一つ二つか世代が古い、古めかしいラジオ。個人的な私物はほぼ持たないようにしている自分であっても
これだけは手元に置いておきたくて……今も持っている。
流れている曲は変わらない。しかし自分は変わっている。
変わり続けている。変わらないものなどありはしないのだろう……

変わることに、変えることに恐れは無い。
それこそが必要なことなのだから。

民間練大隊Division:Dは禁忌戦争後に高まるウォーハイドラとライダー需要から設立された
軍事教育と目的とした民間軍事会社です。

教練を受ける資格はライセンスの所有
また教練を行う資格もライセンスの所有です。

また教育をうけたライダーに仕事を斡旋することも業務に含まれており
現在は訓練及び実地訓練、そして遺跡への威力調査及び収集を目的としています。

尚、現在探査の都合上いくつかの地上艦艇が派遣作戦指揮所となっています。
業務上全て公示されているわけではありませんが【ラングレー】【Ａヒッパー】【インディアナポリス】の所有を公表しています。

・セクション

【残像領域本部】━【派遣事業部】━【各派遣調査部隊】
　　　　　　　　━【基本教練部】━【各教練部隊】

※現在は制御訓練特化ユニオンです。