ENo.0268　白土ルネ

遺跡の阻止機構要点・セクション4を前にして、白土ルネはこれまでの戦いを振り返っていた。
セクション1での強襲―重機動坐像・ミラリアルが脳波誘導結印兵装・空念踊手と、その母艦との激戦から始まり。
セクション2・半反魂幽像・ゴステプトの霊障増幅音階兵器・臥沙羅経。
セクション3・導滅法斬像・サヌロタス操る対重金剛剣技・御蔵妙法。
…いずれ劣らぬ強敵揃い、ただの一つも楽な戦いは無かった。

だが、結果的には完勝である。
白土ルネは当然のこと、随行するIFXAエージェントに一人の欠けもなく、ゼ八號には傷一つ無い。
一種異様な強力は連戦に衰えることもなく、相対した全ての機動像たちを叩き潰してきたのだ。

まるで無限の出力を持つかの如く唸る機体から吹き出す蒸気はミストエンジンのものではない。
その意味を白土ルネは知っていたし、また振るうことに躊躇も無かった。
それほどまでに敵は手強い。
全力を以て即座に破壊せねば死ぬ、と容易に察せるだけの暴力、そして奸計を駆使して来る。
油断は出来ない。

一時の安寧、具体的に言うと焚き火と袋の即席麺でキャンプの食事を楽しんでいる間にも。
振り返るべき過去は過ぎ去り、状況は動く。
「ルネ君。この写真に見覚えは？白土博士らしき通信波―遺跡の奥より送られて来たものなんだけれど。」
「…一度。忍び込んだ父さんの書斎で、本の栞代わりに挟まれていました。」
「そうか。博士は無駄な会話を好まないんだな。」

それは今より10年以上前―白土ルネ幼少期の写真だ。
裏には「輝かしい未来のために」と白土博士直筆の文字。
…裏書きの存在を知っていたのは、博士本人とルネだけであろう、とフェアメッサーは結論づけた。

微笑をたたえる男性に肩車されたルネを、博士が見守っている。
その柔和な顔が何を思考し、悪魔の眠る遺跡に娘を引き入れたのか。
まだ、誰も知らない。

民間練大隊Division:Dは禁忌戦争後に高まるウォーハイドラとライダー需要から設立された
軍事教育と目的とした民間軍事会社です。

教練を受ける資格はライセンスの所有
また教練を行う資格もライセンスの所有です。

また教育をうけたライダーに仕事を斡旋することも業務に含まれており
現在は訓練及び実地訓練、そして遺跡への威力調査及び収集を目的としています。

尚、現在探査の都合上いくつかの地上艦艇が派遣作戦指揮所となっています。
業務上全て公示されているわけではありませんが【ラングレー】【Ａヒッパー】【インディアナポリス】の所有を公表しています。

・セクション

【残像領域本部】━【派遣事業部】━【各派遣調査部隊】
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※現在は制御訓練特化ユニオンです。