ENo.0325　Дмитрий Сергеевич Перестройков

　【第17週目】

　バイオコクーン戦を攻略し、ついにセクション6のゲート直前まで迫った。面白い前座だ、ああ実に愉快だった。あの禁忌戦争が前座だったとでもいうつもりか、この世界は。いいだろう、その悪趣味な冗談を嗤ってやる。そして破壊してやろう。なに、私なりの冗談だって言ってやるさ。それに、私はこの世界から去るつもりだ。これが最後かもしれんのだから、嗤ってやろう。

　この遺跡戦争が激化する直前、祖国の残存領域派遣部隊の基地であった廃墟で一つの遺物を見つけた。それは『ビーコン』と呼ばれる装置で、この残存領域と、他の世界との接続を確立するための装置だ。正確には未完成品であり、そうなるはずだった装置だが。これは前大戦、すなわち禁忌戦争の頃に密かに計画されていた、残存領域と祖国との世界間接続を安定化させ、一大勢力として覇を唱えること。のみならず残存領域を足がかりに革命戦線をあまねく世界に広げる、壮大な侵略計画のために考えられていたらしい（この夢物語にどこまで本気だったのか、今となっては知る由もないが）。

　だがこのビーコンは未完成品ながら、少なくとも人類が生存可能、どころか文明のある世界の座標を確認したことには成功している。すなわち、設計局の『ビーコン』とシルウェストリス航空の『フィネデルシェロ』、この二つを組み合わせることで、私は理論上世界を渡ることができる。はずだ。

　確証は無いが、賭けるには十分だろう。そもそも私は死人のようなものだった。死ぬことは今更怖くない。停滞することだけが恐怖だ。

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かつて残存領域に存在した兵器研究開発機関。ドゥミートゥリの記憶が戻ったことで名前こそ取り戻したものの、人員も物資も失われたままなので、結局内実は変わらないままだ。すなわち、残存物資をばら撒き、残されたわずかな資料を元にパーツを再現する。