第7週目 ファロ・マクルスの一週間
霊障見舞金として400cの資金が送られました
◆日記
和食、という食のジャンルがある。とある星にある島国に根ざすもので、彼らは自分達を指す言葉として「和」という表意文字を利用していた。私達の宇宙ではその文化の末裔が今も存在していて、私達の社会で確認できた幾つかの並行世界でも、それに酷似した文化や、少しだけ違うけれど大筋は似ているものが発見されている。
そしてこの残像領域にも、その文化の一端が入り込んでいるようだった。
「こんなところ、よく見つけてきたな」
リビーさんの隣の席をしっかと陣取ったリオが、薄暗い店内を見回しながら言った。
ここはサルガッソの一角にある料理店で、私が散歩のついでに発見した場所でもある。「創作和食」という看板とこぎれいな店構えが気にかかり、食事会と称して皆を連れてきたのだった。
とは言え、あくまで「サルガッソにある割にこぎれい」な店であって、怪しさは他の店とそう変わらない。壁は廃車パーツの寄せ集めで錆び付いた虹色をしているし、椅子もテーブルも拾い物のようでデザインがバラバラだった。床に至ってはあちこちコンクリートが剥げている。それでも机や椅子の上は客が帰るたびにきちんと片付けられていたし、目に付く大きなゴミが放置されていることもない。店主がある程度店の環境を維持しようとしているのが見て取れる。私にとって、それは良いことのように思えた。
そうして今、私たちはやや狭い円卓を囲んで料理をつついている。片っ端から目に付いた料理を頼んで、めいめい好き勝手に食べていた。
「ね、面白いでしょ! サルガッソには色んなお店があると聞いてましてね。たまには、普段食べないような食文化に触れてみるのも一興だと思ったのです。こういうのは和食、って言うんでしょ?」
「……なあリビー、この『ギョーザ』という食べ物は和食だったか?」
リオが怪訝そうな顔をして、手元の餃子をフォークで刺す(彼は箸をまだうまく扱えない)。リビーさんが低く笑うのが聞こえた。
「前に似たようなのを食った時は中華屋だった気がするな」
「ああ、そう言えば」
「元は中華圏で生まれた料理だそうですよ。和の文化圏に入って変質したものが、この三日月型の餃子なのだそうです」
リオの疑問に答えたのは、私の隣に座っている艦長だった。
料理は艦長の趣味の1つで、彼は我々に馴染みがない食文化にも詳しい。この丸い円卓に所狭しと広げられた料理について、私は検索してようやく何なのか分かるというレベルだが、彼ならば既に知っているのだろう。当然、これらの料理と実際の和食との乖離についても。
餃子を幾つか口に放り込んだらしいリオが、手元にある皿を見つめて眉根を寄せた。口の中のものを飲み下してから艦長に向かって尋ねる。
「……あの、艦長。このリゾットのようなものに乗っかったネバネバも和食なんですか?」
「ああ、それは納豆ですね。豆の発酵食品です。本来は炊いた白米に乗せるものなのですが、これは……雑炊とどこかで混同されてしまったのでしょう」
「見た目はアレだが結構いけるぞ。ソイソース使うか?」
コップの水を一杯飲み下して、リビーさんが醤油の瓶をリオの前に置いた。リオの顔がぱっと明るくなる。彼はリビーさんと一緒にいると本当に分かりやすい。
「うん、ありがとう。食べてみる」
「おう」
短く頷きつつ、リビーさんがちらりと艦長のコップに目を向ける。さりげなく、それでいて素早い視線。
水が減りかけていることに気がついた彼が立ち上がりかけるより早く、艦長が側の水差しからご自身のコップに水を注ぎ足した。ごく自然に、違和感のない動作。タイミングを失ったリビーさんが僅かに腰を浮かせた状態で固まる。
「リビー、確かにこれは美味いな。この細かく刻んだ野菜を乗せても合うみたいだ。あなたは試したか?」
明るく弾んだ声でリオが言って、リビーさんの袖を引く。リビーさんがリオの方を振り向いて「ああ、それは確かネギだな」と答えながら腰を下ろした。ニコニコしながらリオは納豆リゾットの空にして、隣のよくわからない魚の塩焼きをリビーさんに勧めている。
リビーさんの視線が我々から外れたところを見計らって、私は艦長に目配せした。
(お見事です、艦長)
彼はエンパスだ。私のそんな思念も、おそらくぼんやりと伝わっているだろう。少しいたずらっぽく笑って彼がこちらを見るのが分かった。
私と艦長の懸念事項の一つに、リビーさんの精神状態がある。
リビーさんは艦長への奉仕を生きがいの一つにしてしまっている節がある。特に先週、艦長がエンサイクロペディア・フラグメントを始めてからはその傾向が顕著だ。何でもないような顔をして、その実身を削るようにして整備と情報収集、それから艦長の身の回りのお世話に奔走している。夜の自由時間の時などにリオが何度も「休んでくれ」と呼びかけてはいるらしいけれど、どうにも苦戦しているらしい。そのせいか、リオも最近は顔色があまり良くない。
心労の連鎖はろくなことにならない。艦長が「皆で食事をしよう」と言ったのも、今の緊張状態を少しでも緩和するためだろう。しかしリビーさんは、放っておくとこういった普通の食事の席でも艦長の給仕を努めようとしてしまう。それでは意味がない。ここは半ば強制的にでも、体と心を休めるために設けられた場なのだから。
だからさっきから艦長はリビーさんの一瞬先で先手を打ち、極力彼が動かずにすむようにしていた。リビーさんは釈然としない顔をしているが、二人の攻防を知ってか知らずか、絶妙なタイミングでリオが声をかけている。今の所、ある程度はごまかせているようだった。
(……よかった)
メニューを手に取りながら私は思う。
(皆、いつもよりはリラックスしてるみたいだ)
艦長はその立場上、普段はゆっくりと身内と食卓を囲むことが難しい。けれどここでならそれが叶う。リビーさんは痛みが残る脚をむやみに動かす必要がないし、リオと話をしている時の彼は、苦笑いを交えつつも楽しそうだ。そしてリオのはしゃぎようは言わずもがな。
「なあリビー、この茶碗の中身ってもしかしてあれじゃないか? 甘くなくて具が入ってないプリンだ」
「お、懐かしいな。これはこれで美味かったよな」
「はは、二人とも。それは茶碗蒸しというんですよ」
艦長が笑いながら訂正する。私も思わず吹き出してしまって、つられたようにリオとリビーさんが笑う。
……ああ、久しぶりに、和やかな夜になった。
どうかこの平穏が続きますようにと、機械らしくもなくそんな風に祈りながら、私はコップの水を飲み干した。
そしてこの残像領域にも、その文化の一端が入り込んでいるようだった。
「こんなところ、よく見つけてきたな」
リビーさんの隣の席をしっかと陣取ったリオが、薄暗い店内を見回しながら言った。
ここはサルガッソの一角にある料理店で、私が散歩のついでに発見した場所でもある。「創作和食」という看板とこぎれいな店構えが気にかかり、食事会と称して皆を連れてきたのだった。
とは言え、あくまで「サルガッソにある割にこぎれい」な店であって、怪しさは他の店とそう変わらない。壁は廃車パーツの寄せ集めで錆び付いた虹色をしているし、椅子もテーブルも拾い物のようでデザインがバラバラだった。床に至ってはあちこちコンクリートが剥げている。それでも机や椅子の上は客が帰るたびにきちんと片付けられていたし、目に付く大きなゴミが放置されていることもない。店主がある程度店の環境を維持しようとしているのが見て取れる。私にとって、それは良いことのように思えた。
そうして今、私たちはやや狭い円卓を囲んで料理をつついている。片っ端から目に付いた料理を頼んで、めいめい好き勝手に食べていた。
「ね、面白いでしょ! サルガッソには色んなお店があると聞いてましてね。たまには、普段食べないような食文化に触れてみるのも一興だと思ったのです。こういうのは和食、って言うんでしょ?」
「……なあリビー、この『ギョーザ』という食べ物は和食だったか?」
リオが怪訝そうな顔をして、手元の餃子をフォークで刺す(彼は箸をまだうまく扱えない)。リビーさんが低く笑うのが聞こえた。
「前に似たようなのを食った時は中華屋だった気がするな」
「ああ、そう言えば」
「元は中華圏で生まれた料理だそうですよ。和の文化圏に入って変質したものが、この三日月型の餃子なのだそうです」
リオの疑問に答えたのは、私の隣に座っている艦長だった。
料理は艦長の趣味の1つで、彼は我々に馴染みがない食文化にも詳しい。この丸い円卓に所狭しと広げられた料理について、私は検索してようやく何なのか分かるというレベルだが、彼ならば既に知っているのだろう。当然、これらの料理と実際の和食との乖離についても。
餃子を幾つか口に放り込んだらしいリオが、手元にある皿を見つめて眉根を寄せた。口の中のものを飲み下してから艦長に向かって尋ねる。
「……あの、艦長。このリゾットのようなものに乗っかったネバネバも和食なんですか?」
「ああ、それは納豆ですね。豆の発酵食品です。本来は炊いた白米に乗せるものなのですが、これは……雑炊とどこかで混同されてしまったのでしょう」
「見た目はアレだが結構いけるぞ。ソイソース使うか?」
コップの水を一杯飲み下して、リビーさんが醤油の瓶をリオの前に置いた。リオの顔がぱっと明るくなる。彼はリビーさんと一緒にいると本当に分かりやすい。
「うん、ありがとう。食べてみる」
「おう」
短く頷きつつ、リビーさんがちらりと艦長のコップに目を向ける。さりげなく、それでいて素早い視線。
水が減りかけていることに気がついた彼が立ち上がりかけるより早く、艦長が側の水差しからご自身のコップに水を注ぎ足した。ごく自然に、違和感のない動作。タイミングを失ったリビーさんが僅かに腰を浮かせた状態で固まる。
「リビー、確かにこれは美味いな。この細かく刻んだ野菜を乗せても合うみたいだ。あなたは試したか?」
明るく弾んだ声でリオが言って、リビーさんの袖を引く。リビーさんがリオの方を振り向いて「ああ、それは確かネギだな」と答えながら腰を下ろした。ニコニコしながらリオは納豆リゾットの空にして、隣のよくわからない魚の塩焼きをリビーさんに勧めている。
リビーさんの視線が我々から外れたところを見計らって、私は艦長に目配せした。
(お見事です、艦長)
彼はエンパスだ。私のそんな思念も、おそらくぼんやりと伝わっているだろう。少しいたずらっぽく笑って彼がこちらを見るのが分かった。
私と艦長の懸念事項の一つに、リビーさんの精神状態がある。
リビーさんは艦長への奉仕を生きがいの一つにしてしまっている節がある。特に先週、艦長がエンサイクロペディア・フラグメントを始めてからはその傾向が顕著だ。何でもないような顔をして、その実身を削るようにして整備と情報収集、それから艦長の身の回りのお世話に奔走している。夜の自由時間の時などにリオが何度も「休んでくれ」と呼びかけてはいるらしいけれど、どうにも苦戦しているらしい。そのせいか、リオも最近は顔色があまり良くない。
心労の連鎖はろくなことにならない。艦長が「皆で食事をしよう」と言ったのも、今の緊張状態を少しでも緩和するためだろう。しかしリビーさんは、放っておくとこういった普通の食事の席でも艦長の給仕を努めようとしてしまう。それでは意味がない。ここは半ば強制的にでも、体と心を休めるために設けられた場なのだから。
だからさっきから艦長はリビーさんの一瞬先で先手を打ち、極力彼が動かずにすむようにしていた。リビーさんは釈然としない顔をしているが、二人の攻防を知ってか知らずか、絶妙なタイミングでリオが声をかけている。今の所、ある程度はごまかせているようだった。
(……よかった)
メニューを手に取りながら私は思う。
(皆、いつもよりはリラックスしてるみたいだ)
艦長はその立場上、普段はゆっくりと身内と食卓を囲むことが難しい。けれどここでならそれが叶う。リビーさんは痛みが残る脚をむやみに動かす必要がないし、リオと話をしている時の彼は、苦笑いを交えつつも楽しそうだ。そしてリオのはしゃぎようは言わずもがな。
「なあリビー、この茶碗の中身ってもしかしてあれじゃないか? 甘くなくて具が入ってないプリンだ」
「お、懐かしいな。これはこれで美味かったよな」
「はは、二人とも。それは茶碗蒸しというんですよ」
艦長が笑いながら訂正する。私も思わず吹き出してしまって、つられたようにリオとリビーさんが笑う。
……ああ、久しぶりに、和やかな夜になった。
どうかこの平穏が続きますようにと、機械らしくもなくそんな風に祈りながら、私はコップの水を飲み干した。
NEWS
本日のニュースです気候変動の謎を探るため、衛星軌道調査隊が結成されました
科学者や技術者などの名だたるメンバーが結集し、打ち上げロケットで衛星軌道に挑みます
この異常気象に対し、企業は連携の足並みを揃えつつあります
(発射台に佇むロケットの映像)
「打ち上げは来週を予定しています」
「かつて幾度となく、人々は衛星軌道に挑み。そして――」
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「……世間では、ロケットだ何だ騒がしいようだな」 |
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「まぁ、教団はびた一文出資していないのだが……」 |
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「箱舟の建造は順調だ。1隻で四千人を収容できる……まぁ、圧倒的に足りないがな」 |
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「信じるものは救われる。船のチケットは、見ず知らずのものに行き渡るほど多くはない」 |
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「『オラシオン』も忘れてはいないぞ。開発は順調だ。終末の日に、お目見えするはずだ」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「領域拡散精神遊離環、その本当の目的は、残像領域の破壊だ。つまり領域をバラバラに拡散させ、残像に残った精神のリンクを断ち切る」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「これは毒のように領域にしみこみ、消えない傷をもたらす。すでに、セクション1とセクション2の2回の照射が行われた」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「もはや一刻の猶予もない。不滅の存在であるセンチネル……その存在を維持する、遺跡のシステムそのものを破壊する」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「遺跡の中枢に侵入し、『モータージフーガ』によるハッキングで、遺跡を破壊し、世界を維持するのだ」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「それなりにやるようだな。だが、貴様らは、この遺跡の目的を知らないようだな。この遺跡は、世界を護るために……維持するために、作られている」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「この遺跡の崩壊は、世界の破滅を意味する。貴様らが暴れたおかげで、世界のバランスが崩れつつある。ニュースを見れば分かるだろう」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「私はこの世界を護るために作られた。そして、力を与えられた。私と……この、領域拡散精神遊離環さえあれば、世界を護りぬける」 |
◆訓練
射撃の訓練をしました射撃が35上昇した
ファロは受容体遮断剤《ネルス》を998cで購入した!!
白兎生体化学と契約成功!!
シルウェストリスと契約成功!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
◆作製
資金を100を投入した!!
作成時補助発動! 耐電!! 防御属性が 電子 に変化!!
電子強化!
避雷針22と反動吸収機構23を素材にして椀型装甲『茶碗蒸しはプリンではない』を作製した!!
◆戦闘システム決定
ティタンフォート に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1に耐電装甲型操縦棺『イージスの贋作』を装備した
脚部2に装甲式重多脚『くろがねのつまさき』を装備した
スロット3にイージスエンジンver.1.0を装備した
スロット4に水から水素燃料電池を装備した
スロット5に盾型装甲『シークレット・ボヤージュ』を装備した
スロット6にCrA-Turretを装備した
スロット7に椀型装甲『茶碗蒸しはプリンではない』を装備した
スロット8に受容体遮断剤《ネルス》を装備した
スロット9に電湧を装備した
スロット10にHEAD「琥珀」を装備した
スロット11に試作狙撃砲『ディスコネクテッド』を装備した
◆僚機設定
ワジオン・ブランとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションB
ユニオン活動
ケツァールの止まり木の活動記録
大型多脚機体「バーントイエロー」が格納されているガレージ。
僚機「雪華雪香」とガレージを共有しており、それぞれの領域を簡単にパーテーションで区切って使用している。
広い、明るい、機能的、と整備には最適な環境。人数分の居住区もある。
機体の周りにはアンドロイドの青年とオペレーターであるサイボーグの青年がうろついており、時折僚機のライダーである白い男とそのオペレーターの金髪の青年が姿を見せる。
パーテーションの壁には緑の鳥、ケツァールを図案化したデカールが貼り付けられている。
僚機「雪華雪香」とガレージを共有しており、それぞれの領域を簡単にパーテーションで区切って使用している。
広い、明るい、機能的、と整備には最適な環境。人数分の居住区もある。
機体の周りにはアンドロイドの青年とオペレーターであるサイボーグの青年がうろついており、時折僚機のライダーである白い男とそのオペレーターの金髪の青年が姿を見せる。
パーテーションの壁には緑の鳥、ケツァールを図案化したデカールが貼り付けられている。
ユニオン金庫……1000c
利子配当…………100c
射撃の訓練をしました
射撃が1上昇した
射撃の訓練をしました射撃が1上昇した
射撃の訓練をしました射撃が1上昇した
射撃の訓練をしました射撃が1上昇した
射撃の訓練をしました射撃が1上昇した
100c支払い、今回の戦闘においてAPを10%強化した
メッセージ
ENo.117からのメッセージ>>
そこまで説明すると、ふっと息を吐いて、
硬い表情で、紙一重で回避された悲劇を思う。ひとりここに流された男が、黒金乱眼を失っていたら。——しかし、リビーを褒められた瞬間、ぱっと表情を明るくした。どんな隙も逃さないと固く心に誓った親馬鹿が降臨。
笑顔の中にありながら炯炯と輝く緑の瞳の真剣さに、小さく笑って頷いてみせた。少々気軽な所作の返事ではあるが、一応、気にはしているようだ……。
……と。楽しそうに思い出し笑いをしていた男の顔が、心配事を思い出したがどうしようもない、と言いたげなものに変化し、眉が八の字になった。
遠い目でリオを応援していたユージンの表情が、一瞬切なく歪む。苦笑いのような、何かを儚むような。しかし、ゆっくりと息を吐いてからあらためてモンテズマを見やった時には、柔らかい笑みがその顔に広がっていて……
メッセージを送信しました
>>Eno.120 >>Eno.30
ワジオン 「私も隠し事は多いが、現状、あなたの『ナイショ』の数には敵いませんね。……ああ、内緒といえば……エンサイクロペディア・フラグメント。少々強引に採用した理由を話しておくべきか……。勿論この後の打ち合わせで、リビーとリオ君にも詳しく説明はしますが、モンテズマ君は私と同じ戦場に立たねばなりませんから少しでも先に。具体的に説明できる材料が未だ乏しいのが申し訳ないけれど……。」 |
ワジオン 「先の報告にあるように、世界が『定期的に滅亡と再生を繰り返している』として、それに由来しているのか否かは不明ですが、……この《残像領域》に存在する残留思念は、なんと言えばいいのか……、酷く、変わっています。」 |
ワジオン 「私の能力はたかがしれていますが、それでも様々なもの、空間や物質や精神などにも共振することがあります。……しかし、これまでそうして触れてきた思念……記憶や記録、感情、思考、それらの色合いや、時には概念や、そういったもの……。それらと、酷く、違う。」 |
ワジオン 「無論極めて個人的な感覚の話なのですが、……感じ取れる流れが、いつものような形をしていない。乱れ、分岐し、滞り、押し流され、繰り返し、捻れ、過去と今を、巡り巡るような、螺旋がある……ように、見える。酷く歪で、常に不協和音のような叫びと、ノイズと、先の見えないじっとりとした湿度とが、漂っている。」 |
ワジオン 「ですからこの《残像領域》でエンパス能力を開放しているのは、実のところ、非常に疲れます。……多分、リビーはそれに気づいている。だからあれほど反対したのでしょう。エンサイクロペディアをエンパス能力と掛け合わせたりすれば、私に流れ込んでくる情報量が増すのは分かりきっていますから。」 |
ワジオン 「ただ、そこを押してでも、今は情報が欲しい。私はあなた方を、艦まで無事に連れ帰らねばならない。そのためにはおそらく『遺跡の内部の情報』が必要です。東でも西でも南でもない。残像領域北部の、この遺跡の、内部の情報が……。」 |
ワジオン 「そして、延命され『アルラウネ』の覆うこの世界が、安定しているのか、それともなんらかの異変へ向かって歩んでいるのか、分かりません。それらを知るためにも、私は、できるだけのことがしたい……。」 |
ワジオン 「……まあ、東と西と南の情報も欲しいのですがね。なにしろ、モンテズマ君、君の故郷です。」 |
ワジオン 「リビーからも聞きましたが、領域内の通信でさえ情報に信用が置けなかったというから、苦労が偲ばれますよ。『残像』という存在も、霧や捻れや叫びや、そういった様々な要因から発生するのだろうか……。……あの時の乗機が黒金乱眼で、本当に良かった。そのままそばにあってくれて、本当に良かった。黒金を失っていたら、リビーは恐らく生きていなかった。あなた方に会うより前に死んでいたかもしれません。」 |
ワジオン 「リビーは強面ですが面倒見はいいですからねえ。本人は頑なに認めませんが!! 態度はあまり褒められたものではないし、口も柄も悪いけれど、あれは優しいでしょう? 特に、リオ君のような年下に対しては。」 |
ワジオン 「精神感応は実際に時空を超えるより、大変なこともあれば、逆に楽なこともあるんですよ。まれに、ではありますけれど。共振できるか否かが何より重要で、リビーの思念も、黒金乱眼のパターンも、私にとっては何より馴染み深いものだったから、他よりずっと、感応できる可能性は高かった。実際、精神ではだいぶ間近に触れていた。まあ、その、ちょいちょいと、艦載のPSFSブースターは、秘密裏に使用しましたが。」 |
ワジオン 「しかし、あっけなく霧と電磁波と霊障に当てられ……、《残像領域》は一筋縄では行かなかったということです。ふふふ、ありがとう。気をつけます。リビーだけでなく、リオ君からも、モンテズマ君からも、注意を受けていますからねえ。」 |
ワジオン 「サルガッソ、面白かったですねえ。あなたの言っていたとおり、とても雑多で、何もかもが集まっていました。パーツ類、あれは案外面白いものが見つかりそうだし、缶詰の種類も豊富で、酒も日用品も手に入るし……。あなたが案内してくれた店の食事も、なかなかの味でした。リオ君とリビーが……。」 |
……と。楽しそうに思い出し笑いをしていた男の顔が、心配事を思い出したがどうしようもない、と言いたげなものに変化し、眉が八の字になった。
ワジオン 「……ついにリビーが作業用の、というか移動用のDRを入手してしまったから、今後はいつ出かけるかわかりませんよ……本当に一体いつのまに手に入れていたのやら……ぎりぎり二人乗り可能というのだけが救いだ……リオ君のしがみつき力に期待するしかない……。」 |
ワジオン 「あれの無防備さは異常、いや失礼、病気のようなものですからね。リオ君とモンテズマ君が分かっていてくれる、それだけでずいぶん救われる。本当にありがとう。」 |
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>>Eno.120 >>Eno.30
◆戦闘結果
戦闘報酬
明日の戦場
第8ブロック
霧に消えた部隊[侵入]
とある部隊が霧に隠れて消息不明になった後、再び現れた。奇妙なことに、我々を敵だと思い攻撃を続けている。説得は不可能だ。全滅させてくれ。敵は要塞内に撤退した。追撃してくれ
来週の霧濃度:93%
来週の電磁波:87%
来週の警戒値:369%
アンフィニ&許多 |
オルト・イスケー |
さんかく |
HyD汎用接続子『北斗Ⅲ型』 |
ファティマ |
ジュネリア=ハーヴェスト |
ギベオン |
ローデット・ダイス |
バルトロイ・クルーガー |
フィフェリさん |
CODE NAME - H∧L |
アキ・ニタドリ |
智 |
ストラドル |
グリストリム・ギルドホルン |
ファロ・マクルス |
ワジオン・ブラン |
かもめの亡霊『モーヴェ』 |
フェティヤ・クェリフィート |
パールヴァーティー |
ゼルガドール |
--- | --- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
術導DR『ドゥルガー』[霊障] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
術導DR『ドゥルガー』[霊障] |
『霊場』[霊障] |
術導DR『ドゥルガー』[霊障] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
『霊場』[霊障] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
術導DR『ドゥルガー』[霊障] |
術導DR『ドゥルガー』[霊障] |
機動破壊兵器『テンペスト』[粒子] |
『霊場』[霊障] |
電子戦DR『ヘッジホック』[電子] |
キャラデータ
名前
ファロ・マクルス
愛称
ファロ
機体名
複合体計画第四世代機『バーントイエロー』
|
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プロフィール
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
長く尾を引く翠の髪、見目よく造られた機械の体、駆るのは半人半蟲の機体。 靴音を鳴らし笑いながら歩く、ひとではないもの。 ◆ライダー ファロ・マクルス (モンテズマ=B・ミナスジェライス) ウォーハイドラ『バーントイエロー』を操る、青年の姿をしたハイドラライダー。 不自然に鮮やかな翠の髪とカメラアイが特徴。ハイヒールのブーツを履いているせいで身長が2mを超えており、とにかく目立つ。 アンドロイドを自称し、実際にボディは人工物であるようだが妙に人間臭い。 礼儀正しいものの物言いは軽薄。好奇心旺盛で食事とお喋りと散歩が好き。 子供じみた行動をすることもある一方、時折機械的な冷徹さも垣間見せる。 僚機・雪華雪香のライダーであるワジオン・ブランを「艦長」と呼び付き従う。が、態度は馴れ馴れしい。 ワジオンとそのオペレーターであるレグルス・ブラン、自身のオペレーターであるリベルタ・カザールと行動を共にする。 諸事情により偽名を使っている。 本来の名前は「モンテズマ」だが、上記の3名以外にその名を名乗ることはない。 ◆オペレーター リベルタ・カザール(画像左) (リオ・B・ミナスジェライス) ファロのオペレーターを務めるサイボーグの青年。紫のカメラアイに、赤から金に変わる奇妙な色の髪が特徴。 一見ファロより年下に見えるが、彼の兄のような態度をとる。 ファロと同様、ワジオンの部下の一人。 雪華雪香のオペレーター、レグルス・ブラン(画像右)とはパートナー関係にあり、常に彼を気にかけている様子が見られる。 諸事情により偽名を使っている。 本来の名前は「リオ」だが、ファロ達以外にその名を名乗ることはない。 かつて残像領域でライダーをしていたことがある。 ◆機体 複合体計画第四世代機『バーントイエロー』 ファロが操縦する大型多脚機体。人のような上半身にムカデに似た下半身を持つ。 射撃を得意とする機体だが、最近ウイルスを積み始めたらしい。 ファロはこの機体を自身の体のように操る。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5__6__7 __8__9_10_11_12_13_14_15 _16_17_18_19_20_21_22_23 |
機体データ |
|
|
1 | 狙撃砲A | 試作狙撃砲『ディスコネクテッド』 [23/旋回/旋回]《装備:11》 火力[2707] 発射数[1] 旋回速度[46] 防御属性[火炎] 防御値[423] 精度[618] 貯水量[78] 弾数[1] 武器属性[貫通] 異常追加[30] 消費EN[201] 金額[921] 弾薬費[160] 重量[1100] [物理射撃] *作者* |
▼詳細 |
---|---|---|---|
2 | FCSA | 誘導弾制御装置『莫告藻の海をゆくもの』 [22/旋回/旋回] | ▼詳細 |
3 | ウィルスA | 受容体遮断剤《ネルス》 [24/旋回/旋回]《装備:8》 培養[9] 特殊B[403] 旋回速度[575] 防御属性[物理] 防御値[924] 貯水量[601] 噴霧量[150] 武器属性[ウィルス付与] 消費EN[822] 金額[998] 重量[700] [培養装置] *作者* |
▼詳細 |
4 | 素材 | 反動吸収機構24 [24/変形/---] [素材] |
▼詳細 |
5 | 素材 | 反応スプリング26 [26/跳躍/---] 特殊B[200] [素材] |
▼詳細 |
6 | 重多脚A | 装甲式重多脚『くろがねのつまさき』 [21/旋回/装甲]《装備:2》 機動[186] 跳躍[38] AP[3361] 旋回速度[381] 防御属性[霊障] 防御値[786] 貯水量[574] 弾数[2] 積載量[5400] 消費EN[884] 金額[954] 重量[1700] [多脚] *作者* |
▼詳細 |
7 | 素材 | アンテナ25 [25/索敵/---] [素材] |
▼詳細 |
8 | 粒子爆雷A | エネメラ [23/旋回/旋回] 火力[249] 発射数[25] 旋回速度[46] 防御属性[電子] 防御値[173] 精度[9] 貯水量[46] 弾数[30] 武器属性[対地] 異常追加[30] 消費EN[15] 金額[441] 重量[100] [粒子射撃] *作者* |
▼詳細 |
9 | 素材 | 特殊合金22 [22/重装甲/---] [素材] |
▼詳細 |
10 | 素材 | 衝撃吸収板26 [26/耐物/---] 特殊B[200] [素材] |
▼詳細 |
11 | 物理装甲A | 椀型装甲『茶碗蒸しはプリンではない』 [25/耐電/変形]《装備:7》 | ▼詳細 |
12 | --- | --- | --- |
13 | ウィルスB | ウィルスB設計書 [20/耐火/---] 特殊B[80] 防御属性[火炎] 防御値[16] [設計書] |
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14 | 中多脚A | 試作4号 [23/跳躍/貯水] 機動[336] 跳躍[88] AP[2423] 旋回速度[710] 防御属性[霊障] 防御値[405] 貯水量[342] 弾数[1] 積載量[4200] 消費EN[405] 金額[983] 重量[1200] [多脚] *作者* |
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15 | 素材 | 消火装置21 [21/耐火/---] [素材] |
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16 | 素材 | 粒子吸着材25 [25/耐粒/---] [素材] |
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17 | 頭部C | HEAD「琥珀」 [20/出力/---]《装備:10》 | ▼詳細 |
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19 | 物理装甲A | 盾型装甲『シークレット・ボヤージュ』 [20/装甲/旋回]《装備:5》 | ▼詳細 |
20 | 操縦棺A | 耐電装甲型操縦棺『イージスの贋作』 [24/耐電/装甲]《装備:1》 | ▼詳細 |
21 | 砲塔A | CrA-Turret [20/旋回/旋回]《装備:6》 | ▼詳細 |
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23 | 電子装甲A | 避雷針 [20/装甲/装甲] | ▼詳細 |
24 | エンジンB | イージスエンジンver.1.0 [21/耐霊/機動]《装備:3》 | ▼詳細 |
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26 | 操縦棺A | 鋼棺 [22/重装甲/重装甲] | ▼詳細 |
27 | エンジンB | 水から水素燃料電池 [22/機動/機動]《装備:4》 | ▼詳細 |
28 | 粒子装甲A | 睡蓮の池 [22/噴霧/噴霧] | ▼詳細 |
29 | エンジンB | 電湧 [23/---/耐電]《装備:9》 | ▼詳細 |
30 | 霊障装甲A | 試製旋回霊障装甲A-0 [23/旋回/霊障] | ▼詳細 |