ENo.0032　メーネ・フライス

マテリアルベルトとセンチネルから、正反対のメッセージが来た。
マテリアルベルト曰く、遺跡は残像領域の破壊が目的であると言う。
センチネル曰く、世界を維持するために作られていると言う。
果たしてどちらの言い分が本当か…といったところだが、私の世界でも、
古代遺跡の管理者は何かしらおかしくなってしまっている事が多い。
命令の曲解、拡大解釈、前提条件の消滅による予期せぬ動作。

3つ目はどういうことかと言うと――
例えば、機械に「このケーキを私以外の者から守れ」と命令した人がいたとする。
しかしその人はケーキの存在をすっかり忘れ、ケーキは腐り、駄目になってしまった。
そして、機械は「それ」がケーキと認識できなくなり、
守護対象のケーキを求めて外を徘徊するようになってしまった…といった感じ。

まあ、それは置いといて。

センチネルが言ってる「残像領域」と、
私達が認識してる「残像領域」の定義が違う可能性とかは大いにありえる。
人間が「世界のために」って言うと大体「人間社会のために」っていう意味だけど、
センチネルが言ってるのは文字通り、
完全にこの世界そのものの根幹に関わるようなことだったりしないだろうか。
なんにせよ、そうだとしたらもうちょっと情報は小出しにせず、
もうちょっと誠意を持って説得に来てほしいものである。

「♪（緩やかなチェロ演奏が流れている）」
（射撃５　素材＋１）

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緩い空調にむき出しのコンクリートと配線。

人間用の火器練習用の的がやや離れた場所に見える。

人数分のイスが用意され、それ以外は壁際に積まれている。

軋む扉を二枚抜ければ、ただ広い荒野と、いくつか点在したジャンクで出来た的。

戦場のジャンクが一時的に集められる場所のすぐ近く。練習にそれらを吹き飛ばせば、幾らか使えるものくらいは見つかるだろう。

新しく、ブースター付きのベッド、スプリングがよく効いたベッド、噴霧機能の付いたベッドが置かれている…