第8週目 王 零式の一週間
◆日記
アリョーシャが出かけていくと笑いはおさまっていった。ネレティを眺める。
だいたい、気に入らないんだ。
こいつは少女の声を使って無理を押し通すために設計されている。憐憫を買い、自発的に操縦手が戦いに赴くように作られている。だから可愛らしい。
アリョーシャは算出結果だから信頼しているのだろうが、それにしたってアリョーシャ本人からではなくネレティから機体に関して連絡が来るのが不愉快だったし、感情周りに手を突っ込んでくることが多すぎた。もっと理性的な結果を出すと考えていたのが、銃周りの出来事で完全に崩壊した。それに次いでこうではいい加減鬱陶しい。
話をつけるなら今くらいしかないだろう。
人間臭いのではない。コイツはコイツなりのライフパスがあって感情があって、それを行動にしている。誰かに何か仕掛けられているのかどうかも確認しなければ。
唯一のソファを借りる。向き直って大きめに息を吸う。吸気は隙になるから、戦闘に入る前に片づける。
「おまえな。俺の僚機はアリョーシャだ。レトログラードである必要があるのはアリョーシャで俺じゃねぇ。アリョーシャ無視してテメェの都合突っ込んできといていつまでも道具ヅラしつづけられると思ってんのか。いい加減にしろ」
メスガキ、とは流石に言わなかった。メスの武器を使うがコイツはガキですらない。老獪な戦士であるはずだ。それはこのところのハイドラの仕上がりが示している。
「私の都合?ハイドラの戦闘に必要な知識も技術もないマスターに、善意を装って戦略的提案をするのが間違いだとでも?」
間違いではない。俺が最初に提案したそれだ。できれば砲を積んで制圧射撃の下、接敵して殺して回りたかった。
「火器を装備することは、マスターが許してくださったんですよ。なのに零式さんは、まるで私がマスターを誑かしているように言うのですね。ただの道具に、どうしてそんなに怒るんです」
呆れた、と言わんばかりの語尾。イラっとした。
仕掛けられている罠の匂いがする。す、と息を吸い込んで肉体の制御で心を落ち着ける。
「おまえ、直前まで隠してただろ。道具ってのは持ち主の意志を再現するモンで、自分の欲求を持ち主に隠して優先するモンじゃねぇんだよ。おまえは道具じゃねぇ」
表情の変化こそないが、制御下にあるツールの動きを注目するでなく全体を眺める。
「要求を飲ませるためには、冷静に考える時間を削るのが有効でしょう?人間の脆弱性につけ込むように出来た機械ですよ、私は」
これが守り、俺の攻撃に対する受けなのだろう。
「第一、あなただって僚機であることを盾にマスターを振り回して……彼がどれだけあなたにリソースを割いていると思っているんです」
そしてこっちが攻撃。それもまぁ軽くあてるだけのフェイク。本命は別だろう。
「そうだ。おまえはアリョーシャの弱みにつけこんでる。マスターと呼びながらアリョーシャの脆弱性を利用して自分のために砲を積んだ。そいつを今、認めた。それでいいな」
思いの外、言質がとりやすい。最善手を打ってくるから相手がしやすい。チェック。
「互いに利益を交換してる。そいつを利用っつうんなら利用してる。大いに利用してる。そんだけの利益をアリョーシャは寄越してる。アリョーシャがもう組まねぇっつうならクスリも治療もそれで終わりなだけだ。その判断に口挟んだりしねぇ」
これは単に真っ向から受ける。リソースを割くように誘導もしていなければ、要請したわけでもない。後ろ暗いところはない。
「マスターの命のためです。乗り手の命を守るのは当たり前のことですから。それの何がいけないんです?」
その当たり前でもって当人の意志を無視するのがいけないんだが、それを説く価値はあまりなさそうだ。
「それはあなたたちのビジネスですもの。でも、個人の事情にマスターを付き合わせておいて、まだそんなことを言うんですね。彼に甘えていないと断言できますか」
甘えているだとか甘えていないとか、何を言ってるんだ、コイツは。俺は一度首を突っ込むなと言った筈だ。その場に居たのになんでこんな話になる?経緯の説明をアリョーシャがサボったのだろうか。ムダ口しかきけないのか、アノヤロウは。にしても、攻撃の仕方がどうもムキになっている。それ自体、機械や道具を自称する癖におかしいとは思わないんだろうか。
「それがおまえの欲求なんだな。わかった。だけど俺が組んでんのはアリョーシャでおまえじゃない。アリョーシャを操ろうとするなら許さねえ。個人の事情に首つっこんで来やがったのはアリョーシャで俺じゃない。テメェのケツもふけねえヤツを相棒にしとくわけにはいかねえ。俺の事情に首つっこんだオトシマエはアリョーシャがする」
速く、断ち切るように告げる。
「操ろうとなんて……」
感情の制御に手間取っている、という空白が降りる。
「……そもそも、マスターに死んで欲しくないのはあなただって同じはずです!例え私に道具として欠陥があったところで、私は私のやり方でマスターを守るだけ!」
制御しきれなかった感情の影響を受けた整備用アームがかたかたと震える。
「私に出来ないことが出来るからって、調子に乗らないで!ハイドラに乗らなければただの軟弱な人間のくせに!」
えらくデカい声が出るもんだ。冷静になる。あんまり虐めてもアリョーシャが困るだろう、と息を抜いた。
「人は死ぬ。死んでほしい訳じゃねぇが、時期が来ればそいつはどうしようもねぇ。アリョーシャがどこで命を賭けてどう死ぬか、そいつは俺の欲求で曲げて良いもんじゃねぇ。そこに手を突っ込もうとするな。俺たちは死ぬ。そのいのちを、どこで賭けるかはそれぞれのモンだ」
まっすぐに見ることに抵抗を覚えて少し視線を逸らした。
「アリョーシャの体はもう長くは保たねぇよ。死に場所はアリョーシャが決める。それを守ってやれよ、ネレティ」
折りたたみで内蔵はグチャグチャ。その上に混ぜもんだらけのヘロ。混ぜもんは酒で増強されるモノが入ってた。人格荒廃。忘れ物が増えてるのは脳の萎縮の兆候だ。それに、肝臓。結局は終末期医療だ。
「……そうやって、あなたたちは私を置いて勝手に死ぬんですもの。ひどいヒトたち」
がちゃん、と音を立てて、制御の切れたアームが落ちた。見えもしない少女がそこで泣いている。
「言われなくたって、そうします。彼が棺桶で眠る日まで、私が彼の棺桶担ぎですもの。私が、私の意志で、私のやり方で、アリョーシャさんを守るのは変わりません。彼はそれを許してくれた」
それを事後報告される俺の身にもなれってんだ。ため息ばかり積み重なる。
「最初っから相談してくれりゃ良かったんだよ。判断する時間を奪うような真似は要らなかった。俺が怒ってんのはそこだ。お嬢さんは敵にするのと同じことをした。俺はお嬢さんが敵なのか、それを確認しなきゃならなくなった。俺は……」
言葉を探す。俺には延命するだけしか出来ない。生きている間、自由に動けるようにしてやる以上のことは出来ない。
「とっとと敵を殺しちまうとしよう」
Any questions?
そこにあるだろう魂に問いかける。
「私、そういう風に《出来ている》んです。元々は、民間人を死地に送り出すための兵器ですから……その機能は、おふたりには必要ないみたいですね」
やはり、ネレティの機能は感情操作の技法が大きな割合を占めていたのだろう。
レトログラードの喉元、操縦棺の納められたハッチが開いていく。マスターのエンブレムを描いた、ホログラムのデカールが刻まれた棺。
「そのお手伝いをすると……約束、します。だから」
そこで一度声が途切れる。俺と同じで言葉を探しているんだろう。
「マスターの最期まで、僚機でいてくれますか」
願い事、お星様にガキがするアレ。
「それまでにアイツが俺に愛想尽かすんじゃねぇか?俺に棺桶なんてまともな弔いを考えるヤツが居ると思ってなくてよ。面くらっちまった」
一つ懸案が片付いたことに気づく。ああ、と声が出た。
「ネレティ、……悪いんだけどよ。俺はこんなだから他に頼むヤツが居なかったんだよ」
詫びる。こんな願い事をするチビに、持たせる荷物じゃあない。施療プランをハイドラ用のチップの束から抜いて差し出す。
「俺が死んだらその通りに薬を作るヤツを見つけろ」
約束、なんてのは。自分をダイスに賭け事に興じる俺にはルールが増えるだけで。
「人間ですもの、弔われるのは当たり前でしょう?それに、マスターはきっと零式さんに愛想を尽かしたりしませんよ」
制御を取り戻したアームがチップを引き取っていく。
「分かりました……でも」
受け取られたチップを見送る。やっと重荷が退いた。
「私はあなたも守ります」
そこにまた無駄なバラストをつけてくる。
コイツはそれで俺の足が鈍ることをわかってねぇんだろう。俺の足が鈍って敵を殲滅する速度が落ちればアリョーシャがヤバイってことも。
「欲張るな。二兎追うものは。お嬢さんが守るのはアリョーシャのLIFE。俺のLIVEはアリョーシャが守ってくれるだろうよ」
これは、単なる予測だった。
「俺の死体なんざ資材かゴミだったんだよ。約束はしたことがねぇからわからねぇけどな。俺はアリョーシャと戦場に出続けてぇとは思ってんよ。欲求ってやつだ」
こっちは、単なる感想だった。
「ふふ、奇遇ですね。私も同じです」
ネレティが笑うのを聞きながら、約束のことなのか、アリョーシャと戦場に立つことなのか、両方なのかとは思ったが、それ以上は無用だと言葉を切り上げた。
だいたい、気に入らないんだ。
こいつは少女の声を使って無理を押し通すために設計されている。憐憫を買い、自発的に操縦手が戦いに赴くように作られている。だから可愛らしい。
アリョーシャは算出結果だから信頼しているのだろうが、それにしたってアリョーシャ本人からではなくネレティから機体に関して連絡が来るのが不愉快だったし、感情周りに手を突っ込んでくることが多すぎた。もっと理性的な結果を出すと考えていたのが、銃周りの出来事で完全に崩壊した。それに次いでこうではいい加減鬱陶しい。
話をつけるなら今くらいしかないだろう。
人間臭いのではない。コイツはコイツなりのライフパスがあって感情があって、それを行動にしている。誰かに何か仕掛けられているのかどうかも確認しなければ。
唯一のソファを借りる。向き直って大きめに息を吸う。吸気は隙になるから、戦闘に入る前に片づける。
「おまえな。俺の僚機はアリョーシャだ。レトログラードである必要があるのはアリョーシャで俺じゃねぇ。アリョーシャ無視してテメェの都合突っ込んできといていつまでも道具ヅラしつづけられると思ってんのか。いい加減にしろ」
メスガキ、とは流石に言わなかった。メスの武器を使うがコイツはガキですらない。老獪な戦士であるはずだ。それはこのところのハイドラの仕上がりが示している。
「私の都合?ハイドラの戦闘に必要な知識も技術もないマスターに、善意を装って戦略的提案をするのが間違いだとでも?」
間違いではない。俺が最初に提案したそれだ。できれば砲を積んで制圧射撃の下、接敵して殺して回りたかった。
「火器を装備することは、マスターが許してくださったんですよ。なのに零式さんは、まるで私がマスターを誑かしているように言うのですね。ただの道具に、どうしてそんなに怒るんです」
呆れた、と言わんばかりの語尾。イラっとした。
仕掛けられている罠の匂いがする。す、と息を吸い込んで肉体の制御で心を落ち着ける。
「おまえ、直前まで隠してただろ。道具ってのは持ち主の意志を再現するモンで、自分の欲求を持ち主に隠して優先するモンじゃねぇんだよ。おまえは道具じゃねぇ」
表情の変化こそないが、制御下にあるツールの動きを注目するでなく全体を眺める。
「要求を飲ませるためには、冷静に考える時間を削るのが有効でしょう?人間の脆弱性につけ込むように出来た機械ですよ、私は」
これが守り、俺の攻撃に対する受けなのだろう。
「第一、あなただって僚機であることを盾にマスターを振り回して……彼がどれだけあなたにリソースを割いていると思っているんです」
そしてこっちが攻撃。それもまぁ軽くあてるだけのフェイク。本命は別だろう。
「そうだ。おまえはアリョーシャの弱みにつけこんでる。マスターと呼びながらアリョーシャの脆弱性を利用して自分のために砲を積んだ。そいつを今、認めた。それでいいな」
思いの外、言質がとりやすい。最善手を打ってくるから相手がしやすい。チェック。
「互いに利益を交換してる。そいつを利用っつうんなら利用してる。大いに利用してる。そんだけの利益をアリョーシャは寄越してる。アリョーシャがもう組まねぇっつうならクスリも治療もそれで終わりなだけだ。その判断に口挟んだりしねぇ」
これは単に真っ向から受ける。リソースを割くように誘導もしていなければ、要請したわけでもない。後ろ暗いところはない。
「マスターの命のためです。乗り手の命を守るのは当たり前のことですから。それの何がいけないんです?」
その当たり前でもって当人の意志を無視するのがいけないんだが、それを説く価値はあまりなさそうだ。
「それはあなたたちのビジネスですもの。でも、個人の事情にマスターを付き合わせておいて、まだそんなことを言うんですね。彼に甘えていないと断言できますか」
甘えているだとか甘えていないとか、何を言ってるんだ、コイツは。俺は一度首を突っ込むなと言った筈だ。その場に居たのになんでこんな話になる?経緯の説明をアリョーシャがサボったのだろうか。ムダ口しかきけないのか、アノヤロウは。にしても、攻撃の仕方がどうもムキになっている。それ自体、機械や道具を自称する癖におかしいとは思わないんだろうか。
「それがおまえの欲求なんだな。わかった。だけど俺が組んでんのはアリョーシャでおまえじゃない。アリョーシャを操ろうとするなら許さねえ。個人の事情に首つっこんで来やがったのはアリョーシャで俺じゃない。テメェのケツもふけねえヤツを相棒にしとくわけにはいかねえ。俺の事情に首つっこんだオトシマエはアリョーシャがする」
速く、断ち切るように告げる。
「操ろうとなんて……」
感情の制御に手間取っている、という空白が降りる。
「……そもそも、マスターに死んで欲しくないのはあなただって同じはずです!例え私に道具として欠陥があったところで、私は私のやり方でマスターを守るだけ!」
制御しきれなかった感情の影響を受けた整備用アームがかたかたと震える。
「私に出来ないことが出来るからって、調子に乗らないで!ハイドラに乗らなければただの軟弱な人間のくせに!」
えらくデカい声が出るもんだ。冷静になる。あんまり虐めてもアリョーシャが困るだろう、と息を抜いた。
「人は死ぬ。死んでほしい訳じゃねぇが、時期が来ればそいつはどうしようもねぇ。アリョーシャがどこで命を賭けてどう死ぬか、そいつは俺の欲求で曲げて良いもんじゃねぇ。そこに手を突っ込もうとするな。俺たちは死ぬ。そのいのちを、どこで賭けるかはそれぞれのモンだ」
まっすぐに見ることに抵抗を覚えて少し視線を逸らした。
「アリョーシャの体はもう長くは保たねぇよ。死に場所はアリョーシャが決める。それを守ってやれよ、ネレティ」
折りたたみで内蔵はグチャグチャ。その上に混ぜもんだらけのヘロ。混ぜもんは酒で増強されるモノが入ってた。人格荒廃。忘れ物が増えてるのは脳の萎縮の兆候だ。それに、肝臓。結局は終末期医療だ。
「……そうやって、あなたたちは私を置いて勝手に死ぬんですもの。ひどいヒトたち」
がちゃん、と音を立てて、制御の切れたアームが落ちた。見えもしない少女がそこで泣いている。
「言われなくたって、そうします。彼が棺桶で眠る日まで、私が彼の棺桶担ぎですもの。私が、私の意志で、私のやり方で、アリョーシャさんを守るのは変わりません。彼はそれを許してくれた」
それを事後報告される俺の身にもなれってんだ。ため息ばかり積み重なる。
「最初っから相談してくれりゃ良かったんだよ。判断する時間を奪うような真似は要らなかった。俺が怒ってんのはそこだ。お嬢さんは敵にするのと同じことをした。俺はお嬢さんが敵なのか、それを確認しなきゃならなくなった。俺は……」
言葉を探す。俺には延命するだけしか出来ない。生きている間、自由に動けるようにしてやる以上のことは出来ない。
「とっとと敵を殺しちまうとしよう」
Any questions?
そこにあるだろう魂に問いかける。
「私、そういう風に《出来ている》んです。元々は、民間人を死地に送り出すための兵器ですから……その機能は、おふたりには必要ないみたいですね」
やはり、ネレティの機能は感情操作の技法が大きな割合を占めていたのだろう。
レトログラードの喉元、操縦棺の納められたハッチが開いていく。マスターのエンブレムを描いた、ホログラムのデカールが刻まれた棺。
「そのお手伝いをすると……約束、します。だから」
そこで一度声が途切れる。俺と同じで言葉を探しているんだろう。
「マスターの最期まで、僚機でいてくれますか」
願い事、お星様にガキがするアレ。
「それまでにアイツが俺に愛想尽かすんじゃねぇか?俺に棺桶なんてまともな弔いを考えるヤツが居ると思ってなくてよ。面くらっちまった」
一つ懸案が片付いたことに気づく。ああ、と声が出た。
「ネレティ、……悪いんだけどよ。俺はこんなだから他に頼むヤツが居なかったんだよ」
詫びる。こんな願い事をするチビに、持たせる荷物じゃあない。施療プランをハイドラ用のチップの束から抜いて差し出す。
「俺が死んだらその通りに薬を作るヤツを見つけろ」
約束、なんてのは。自分をダイスに賭け事に興じる俺にはルールが増えるだけで。
「人間ですもの、弔われるのは当たり前でしょう?それに、マスターはきっと零式さんに愛想を尽かしたりしませんよ」
制御を取り戻したアームがチップを引き取っていく。
「分かりました……でも」
受け取られたチップを見送る。やっと重荷が退いた。
「私はあなたも守ります」
そこにまた無駄なバラストをつけてくる。
コイツはそれで俺の足が鈍ることをわかってねぇんだろう。俺の足が鈍って敵を殲滅する速度が落ちればアリョーシャがヤバイってことも。
「欲張るな。二兎追うものは。お嬢さんが守るのはアリョーシャのLIFE。俺のLIVEはアリョーシャが守ってくれるだろうよ」
これは、単なる予測だった。
「俺の死体なんざ資材かゴミだったんだよ。約束はしたことがねぇからわからねぇけどな。俺はアリョーシャと戦場に出続けてぇとは思ってんよ。欲求ってやつだ」
こっちは、単なる感想だった。
「ふふ、奇遇ですね。私も同じです」
ネレティが笑うのを聞きながら、約束のことなのか、アリョーシャと戦場に立つことなのか、両方なのかとは思ったが、それ以上は無用だと言葉を切り上げた。
NEWS
本日のニュースです衛星軌道調査隊を乗せたロケットが、軌道上で消失しました
乗組員の消息は不明です。原因は、全くの不明です
ロケットセンターから中継です
(慌ただしいセンターの映像)
「やはり、我々は残酷な事実に目を向ける必要がありそうです」
「つまり、衛星軌道の外側は、無が広がっているのです――」
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「ゴホゴホッ……私も幾度となく、ロケットで宇宙へと向かう夢を見ていたよ……ヒヒッ」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「……ヒヒッ、それは無意味だったかもしれないな。宇宙空間の代わりにあるのは、無の領域だ……」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「……虚無領域……HCSの及ばぬ、無の中で耐えられる人間など、おるまい」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「黄金の月が見えるだろう? あそこは……虚無の中で唯一確かなる大地だ……ゴホッ……」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「……つまりは、ただのスクリーンに過ぎない。この世界は。魔力の光の見せた幻想。銀幕の裏は、何もない」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「ヒヒッ……残像領域とは、まさに映画のようなものだな。君は、HCSの中で、その夢を見続ける権利がある……ゴホッ」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「月……そう、虚無領域の中でなお、自己を保てる巨大な存在だ。そう、あれ自体が……」 |
白兎生体化学研究員『ブレア』からのメッセージ 「月そのものが、操縦棺なのだから……ヒヒッ」 |
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「我々は、未来を見据えている。そして、最善手で動き続ける」 |
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「降りしきる雨、奇妙に成長した植物。終末に向かうにはいい雰囲気だな」 |
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「人々は、日常という神を信じている。それが、容易く裏切る存在だと知らずに」 |
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「いつまでも、このままが、変わらぬように、続いていくと信じている。実際には――」 |
ヒルコ教団の巫女『ネコ』からのメッセージ 「神の一手でもって、消し飛ぶポーンの駒より、儚い存在だと知らずに」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「シルウェストリスへの協力に感謝する。こちらの捜査は順調だ」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「『セレスト・グレムリン』は次元跳躍を繰り返しながら、遺跡奥へと向かっている」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「理由は分からないが……どうやら、目指す何かが、遺跡奥に存在しているようだ」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「2号機と3号機は、いつでも出撃できるようにスタンバイさせてある。機を見て、一瞬で仕掛け、決着させるほかない」 |
シルウェストリス社長代行『ネア』からのメッセージ 「『セレスト・グレムリン』……1号機は、高い次元跳躍能力を持つ。逃したらもう捉えられない」 |
少年Eからの通信 「プリンを食べて待ちます」 |
少年Fからの通信 「本を読んで、待ちます」 |
少年Fからの通信 「ライダーさんは、何をして待ちます?」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「ドゥルガーは、崩壊する時代の中で生まれた。世界を崩壊させたのち、リセットし、再構築し、新しい世界を作るため」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「この試みは失敗し、新世界を生むことはなく、空虚な世界だけが残された。それがいまの残像領域だ」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「新世界……そう、デバステイターでもって衰退させ、アンセトルドでもって変化させ、ランページでもって破壊し……グリスターでもって光をもたらし、そして……」 |
マテリアルベルト発動機担当『レオ』からのメッセージ 「アンビエントによって、新たな世界を築く。しかし、それはただの夢に過ぎなかった。計画は失敗した。失敗したんだ。そして夢は覚めて……どうしようもない世界だけが残ったんだ」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「こんどこそ、貴様を叩き潰す。私には、遺跡の莫大なエネルギーがある。その力を受けて、無限の力を引き出せる」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「残像領域永劫化要塞……それが、この遺跡の本当の名だ。この遺跡は、新たな世界を構築し、人々を救命する力を持つのだ」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「お前たちが遺跡を荒らすことで、世界の救命に支障が生じる。それが、わからないのか?」 |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫ 「私は……この、領域拡散精神遊離環と共にある。そして、私はどこまでも戦える。それが、私の使命なのだから」 |
◆訓練
適性の訓練をしました適性が45上昇した
王 零式は数の利を384cで購入した!!
王 零式は大霧清浄機「大海」を1012cで購入した!!
シルウェストリスとスポンサー契約を更新しました!!
シルウェストリスとスポンサー契約を更新しました!!
シルウェストリスと契約成功!!
王 零式は試製索敵重タンクA-0を0cで購入した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
金塊を200cに換金した!!
◆作製
作製しようとしたが必要資金が不足したため、無料で頑張って作製しました
作成時補助発動! 加重!! パーツ重量が 52 増加!!
作成時補助発動! 加重!! パーツ重量が 52 増加!!
呪いの人形26と呪いの人形26を素材にして仆歩を作製した!!
◆戦闘システム決定
バーサーク に決定!!
◆アセンブル
操縦棺1にUDP『山茶花』を装備した
脚部2に試算投入10を装備した
スロット3に数の利を装備した
スロット4に数の利を装備した
スロット5にみなりとりを装備した
スロット6に仆歩を装備した
スロット7にZ.A-C/1855L1を装備した
スロット8にゼノハイラΛを装備した
スロット9にqweeeeertghui【無繋呪肢体】を装備した
スロット10にリアトリスの『再誕』を装備した
スロット11に大霧清浄機「大海」を装備した
◆僚機設定
アレクセイ・エルステッドとバディを結成した!!
◆意思表示設定
意志設定……生存優先
◆ミッション
ミッション設定……ミッションD
ユニオン活動
四不像の檻の活動記録
ウーシュウだ。
失われつつあるそれらを囲う動物園がある。
御伽噺さ。
いや、診療所だよ。心霊手術?そうかもしれない。
人の殺し方と生かし方は同根だってことだ。それがわかるならまあ茶の一杯もふるまうが
失われつつあるそれらを囲う動物園がある。
御伽噺さ。
いや、診療所だよ。心霊手術?そうかもしれない。
人の殺し方と生かし方は同根だってことだ。それがわかるならまあ茶の一杯もふるまうが
ユニオン金庫……1000c
利子配当…………100c
適性の訓練をしました
適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
適性の訓練をしました適性が1上昇した
ENo.128からのメッセージ>>若干、そわそわしながら。
大人しく待っている……
メッセージ
ENo.48からのメッセージ>>
ENo.67からのメッセージ>>
メッセージを送信しました
>>Eno.128: >>Eno.48
DiMSANI 「零式さん? あの……今日は本当にごめんなさい、人でなしなんて言って……」 |
DiMSANI 「ああなっている時、その……私自身、よく分からないんです。 マスターのお手伝いをするようになってから、エラーがとても多くて。 普段は気をつけているのですけど……どうしても上手く制御できないんです。」 |
DiMSANI 「……許してもらえるとは思っていません。でも、ちゃんと謝りたくて。 マスターの僚機を、私のせいで失うなんて嫌ですから」 |
サダメ 「よう。私はお前の多分知らないウサギだ。」 |
サダメ 「おっと、ウサギといっても食べようとはしないでくれよ?」 |
サダメ 「最も肉食動物とかだったらマジに逃げんとならんがね。」 |
サダメ 「冗談だ。よかったらこの戦いがおわるまで少しつき合ってくれるとありがたいぜ」 |
メッセージを送信しました
>>Eno.128: >>Eno.48
◆戦闘結果
戦闘報酬
明日の戦場
第17ブロック
セクション・3[ハッキング]
セクション・3。真の闇に閉ざされた、精神の瓦礫へ――
来週の霧濃度:106%
来週の電磁波:96%
来週の警戒値:414%
ホッパーマン |
リョウゴ=サクラバ |
霧中ネネ |
ニッシュ・グラスター |
フランキスカ・テレドール |
ウラカタ・キョウジ |
『Unterlegene』 |
リーダ・ホッケンハイム |
フレースヴェルカ |
ガブリエラ・ストークス |
ソネル |
メーネ・フライス |
坂山 錚牟 |
灰星 |
リスティル |
アレクセイ・エルステッド |
王 零式 |
Silence |
Lupth |
霧崎サダメ |
--- | --- | --- | --- | --- |
--- | --- | - vs - | --- | --- |
デバステイター・センチネル≪ΜΕΛΠΟΜΕΝΗ≫[デバステイター] |
『固定砲台』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
『電波塔』[霊障] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
『電波塔』[霊障] |
『電波塔』[霊障] |
『電波塔』[霊障] |
『固定砲台』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
装甲戦車『アルマジロ』[物理] |
『固定砲台』[物理] |
戦闘機『デボンレックス』[物理] |
『霊場』[霊障] |
『霊場』[霊障] |
『霊場』[霊障] |
キャラデータ
名前
王 零式
愛称
王 零式
機体名
睚眦
|
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
プロフィール
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
王零式(ワンリンシー) 東洋人の外見をした28才の旧い旧い武術を修める男。166センチ童顔で体格に恵まれているとは言い難い。 礼儀正しく明るく、優しさを出し惜しみせず、武術で得た身体への知識で施療を無償で行うことも少なくない。 のは表向きの顔である。 そもそもは武術すべての失伝を危惧した一人の富豪が使える者を確保し、その理解の全てと身体の全てを保存し続けてきた、人間と武術の動物園に残された四不像がこの名前のない男の生まれである。 あまりに使えると管理者が扱いきれないために分割された一片の技術しか持たなかったが、猛烈な飢餓に襲われて園の旧友を食べた結果、彼は旧友の持つ技術体系を理解する。 それはプリオン病を意図的に「手懐け」脳とそれに載る「文献」を運ばせたこと、友人と戦い身体を解体して理解したことの両面から来る現象だった。 遁走した彼が行き着いたのは、威圧感のない外見ながら強力な殺人術を持ち、しかも武器のチェックに一切引っかからないことを最大に利用した稼業、暗殺者である。 だがそれでも隠された園の仲間のゆくえを調べ上げて食べるには足りない。 身元を問われず大きく稼ぎ、その金の行方があまり追求されない立場の一つとしてハイドラライダーのライセンスを取得することになる。 機械は効率を重んじれば人としてのなりたち、他の生き物に似てくるもので、そう弄り方は変わらず。 ハイドラ 睚眦(ヤジ) 殺すことを好む竜生九子の一つの名を冠した。 この方がより殺せる、というだけの理由での多脚換装であり、殺意を視線に乗せて殺す、そういった霊障の性質を理解し始めた兆しである。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
__0__1__2__3__4__5__6__7 __8__9_10_11_12_13_14_15 _16_17_18_19_20_21_22_23 |
機体データ |
|
|
1 | 素材 | 呪いの人形27 [27/重霊障/---] 特殊B[220] [素材] |
▼詳細 |
---|---|---|---|
2 | 素材 | 特殊合金27 [27/重装甲/---] 特殊B[220] [素材] |
▼詳細 |
3 | 操縦棺A | UDP『山茶花』 [24/---/---]《装備:1》 | ▼詳細 |
4 | 術導肢B | ゼノハイラΛ [24/重霊障/重霊障]《装備:8》 | ▼詳細 |
5 | 軽逆関節A | 『久留守』(軽逆 [22/旋回/旋回] 機動[587] 跳躍[244] AP[370] 旋回速度[1063] 防御属性[粒子] 防御値[190] 貯水量[92] 積載量[2100] 消費EN[114] 金額[434] 重量[800] [逆関節] *作者* |
▼詳細 |
6 | 培養装置C | 数の利 [24/重霊障/重霊障]《装備:3》 培養[18] 特殊B[140] AP[187] 防御属性[火炎] 防御値[345] 貯水量[187] 噴霧量[607] 弾数[2] 消費EN[864] 金額[384] 重量[296] [培養装置] *作者* |
▼詳細 |
7 | --- | --- | --- |
8 | --- | --- | --- |
9 | 軽ブースターA | リーイン・カーネイション [24/重霊障/重霊障] | ▼詳細 |
10 | 中多脚A | 試算投入10 [24/重霊障/重霊障]《装備:2》 機動[351] 跳躍[86] AP[2201] 旋回速度[689] 防御属性[霊障] 防御値[392] 貯水量[286] 弾数[1] 積載量[4200] 消費EN[392] 金額[448] 重量[1296] [多脚] *作者* |
▼詳細 |
11 | --- | --- | --- |
12 | --- | --- | --- |
13 | 重ブースターA | 重ブースターA設計書 [20/保証/---] 特殊B[80] [設計書] |
▼詳細 |
14 | 軽ブースターA | リーイン・カーネイション [24/重霊障/重霊障] | ▼詳細 |
15 | エンジンB | リアトリスの『再誕』 [24/重霊障/重霊障]《装備:10》 | ▼詳細 |
16 | エンジンB | リアトリスの『再誕』 [24/重霊障/重霊障] | ▼詳細 |
17 | 軽ブースターA | 仆歩 [26/重霊障/重霊障]《装備:6》 | ▼詳細 |
18 | 培養装置C | 数の利 [24/重霊障/重霊障]《装備:4》 培養[18] 特殊B[140] AP[187] 防御属性[火炎] 防御値[345] 貯水量[187] 噴霧量[607] 弾数[2] 消費EN[864] 金額[384] 重量[296] [培養装置] *作者* |
▼詳細 |
19 | 軽ブースターA | みなりとり [24/噴霧/噴霧]《装備:5》 | ▼詳細 |
20 | エンジンB | 大霧清浄機「大海」 [25/---/耐物]《装備:11》 | ▼詳細 |
21 | --- | --- | --- |
22 | --- | --- | --- |
23 | 術導肢A | qweeeeertghui【無繋呪肢体】 [24/重霊障/重霊障]《装備:9》 | ▼詳細 |
24 | 培養装置C | 培養装置C設計書 [24/---/---] 金額[600] [設計書] |
▼詳細 |
25 | --- | --- | --- |
26 | --- | --- | --- |
27 | 高速増殖培養槽A | 高速増殖培養槽A設計書 [23/---/---] 金額[600] [設計書] |
▼詳細 |
28 | FCSC | Z.A-C/1855L1 [24/重霊障/重霊障]《装備:7》 | ▼詳細 |
29 | --- | --- | --- |
30 | 重タンクA | 試製索敵重タンクA-0 [25/索敵/精度] 機動[46] AP[3809] 旋回速度[575] 防御属性[火炎] 防御値[1560] 精度[40] 貯水量[761] 弾数[2] 積載量[5600] 消費EN[390] 金額[390] 重量[2200] [タンク] *作者* |
▼詳細 |