ENo.0292　ディーヴァ

another route

道というものはいくつもある。
交わるものもあれば、およそ繋がりようもないものも。
分かれるものもあれば、一筋のものも。

『あなた』が辿っていけた道かもしれないし、未知の【あなた】の見た景色かもしれない。

これはつまり、そんなお話。

-------------------------------------------savedata load 『トスカ　終盤』

夜のとばりが霧の向こうに落ちていく。
あなたの前に、復讐者を演じる女は佇む。
トスカだ。



「･･･ああ。あなたですか。」

「これまでの協力、ありがとうございました。あなたのお陰で随分と動きやすかったですよ」



･･･ここも随分風通しが良くなりました、と女は続ける。
彼女はその境遇から、彼女の過去を奪った者たちへの復讐を続けていた。
それは企業であったり、個人であったり、多岐に渡る。

その最後に、彼女は自分の役割を果たすとあなたに告げていた。
基本、仲間など作らず人を遠ざけていた彼女だが、ひょんなことから知り合って、直接間接様々に手を借りてしまったあなたに対しては･･･恐らく、親愛か、それに勝る感情を抱いている様子であった。
･･･むなしい勘違いである可能性は否めないが、それでもあなたは信じた。



「･･･はあ。　こんな素敵な夜なのに。月さえも見えないなんて。なんて場所なんでしょうね。」



胸部装甲を開いて操縦棺をむき出しにした機体から上体を乗り出して、彼女はぼやく。



⇒仕方ない、と言う
月よりも君を見たいと笑いかける
パンツァークリンゲの話をする



言うと、彼女は少し黙ってしまう。
機嫌を損ねたか･･･？と思うあなたの前で、彼女は無言のまま胸部装甲を閉じ、ハイドラを起動した。
通信が入る。



「･･･私は、その言葉は嫌いです。そんな言葉を許していたら、私はここにいられない。」

「だから･･･見せてあげますよ」



瞬間。
霧を大いに吹き出し、脚部を撓ませてハイドラは飛ぶ。跳ぶ。
霧の分厚いヴェールの向こう、うっすらと存在を示す光の前に影となった彼女の機体が移る。
そして、背部格納庫に手を伸ばし、ハイドラ用の大剣パンツァークリンゲを展開し、

空を、引き裂いた。

彼女が重力に乗って落ちてくる。
地を揺らしながら降り立つと同時に、衝撃が遅れて地表を叩く。

ばらりと分かたれた霧の向こうには、煌々と輝く月があなた達に顔を見せた。
彼女も再度、機体装甲を開き顔を出し、あなたに笑いかけた。

「ほら。仕方ない、なんて事、ないんですよ。」

「何だって叶うんです。何だって手に入るんです。私は、そうしなければならないから」

「･･･前にも言いましたね。私は変わりませんよ。ちゃんと、役目を、役割を･･･果たします。」



･････････。



⇒それが君の望みなら
無言を貫く
彼女を止める



彼女は、それはとても綺麗に笑った。

「（最近のヒットナンバーが流れている。何度も聴いているためいい加減歌詞を覚えてしまいそうだ）」
（射撃５　素材＋１）

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緩い空調にむき出しのコンクリートと配線。

人間用の火器練習用の的がやや離れた場所に見える。

人数分のイスが用意され、それ以外は壁際に積まれている。

軋む扉を二枚抜ければ、ただ広い荒野と、いくつか点在したジャンクで出来た的。

戦場のジャンクが一時的に集められる場所のすぐ近く。練習にそれらを吹き飛ばせば、幾らか使えるものくらいは見つかるだろう。

不調な個所はその都度手直ししている。
顔なじみになってきたえびがいる。
そのための水槽さえ置かれだした。オープンなユニオンです。