ENo.0005　パアム・ライザ

何のために、私は工学の道を選んだんだったか。

機体を駆り、障害を屠る中で、ふと頭をよぎった。
夢のため？確かにそうだ。父の夢に、私は賛同し、二足歩行ロボットを――形を変えたとしても、実現させたのだ。

ならば、それからは？
金食い虫とか、実用性に欠けるとか、プレディの存在が無ければ、やっていけない夢で、色々言われたものだったが、大型アシストスーツという新しい目標ができて、実現への道筋を建てるのはとても楽しかった。

借金を返すため、というのもある。
残像領域へ改めて訪れるのも、目標の一つだった。それは借金を返すためだったり、戦ったあの世界のその後を見てみたかったのもあるし、様々だ。閉じた、崩壊寸前の世界だということも発覚してしまったけれど。

だが、それだけではない。
それは、夢でなく、憧れだ。
二足歩行に、子供の用に憧れる父に、そして父の夢の源流に、私は憧れたのだ。

この、自分自身を見て、今、そう思う。

機体を駆って、暴れまわり、敵を屠ること。

これが、私の憧れであり、すべての源流だった。

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それは大きな倉庫。―――ただし外部から何か引きちぎられたような跡がそこかしこに見て取れます。

外からひとまずの補修がされており、ハイドラの整備施設などが備え付けられているようです。

また、倉庫の脇には、油臭いパイプベッドが備え付けられたバラックが存在しており、時折、珈琲の香りが漂ってきます。
「……もうちょっと居住性高めましょうか。」



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