ENo.0176　カヴネル・レビン

殺してやる。壊してやる。砕け散れ、爆ぜ散れ。
心の中で繰り返し唱え続ける。感情を、殺意を増幅させる。
速く、風よりも速く。何度も切りつけ、電撃を放つ。弾かれた。やっぱり堅い。

こっちは相変わらずENの消耗が速い。敵の攻撃も激しい。
こんなモノ壊したって、帰れる保証なんかない。それでも、やるしかねえ。
破壊と殺戮、それがドラグーンの力。…オレにはうってつけの仕事だ。

（トロバ、オレに力を貸してくれないか）

相棒『ライトニング』の爪に、光が宿る。粒子の光とは、違う輝き。
一閃。虚空に、刃が生まれる。

ドゥルガー素体の腕は、不可思議な刃に切り裂かれ、崩れ落ちた。
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
底無しの深海へと潜るように。意識を、ゆっくりと機体に浸透させる。
訓練生だった頃から、当たり前のようにやってきたことだ。
目を閉じていても空が見えるし、無かったはずの翼と尾が動かせる。
オレの相棒は望む限り、いくらでも力を授けてくれる。だが、もちろん代償もある。

今、相棒との魔力精神感応システムはHCSの安全装置によって実質的なリミッターがかかっている（こないだ不具合が出たのは相当ビビったが、出撃前にメンテナンスしたので大丈夫、なはず）。…だがこれは、いつでも外すこともできる。
もし本当にリミッターを解除し、際限なく同調率を上げ続けていたら、あるいは長くドラゴナイズ（100％オーバー）していたらどうなってたか？
オレの体は、全部機体内部に溶けて失われる。…コックピット内に血の一滴でも残ってたら、それだけでも上等ってもんだろ。

残像領域に来たあの日から、何度これを外そうと思ったか。
少しでも早く、楽になりたいという気持ちが無かったと言えば嘘になる。
でも、もう逃げたりしない。セシィとニーベのように、未来を勝ち取るために。モーヴェとの約束を果たすために。
そして。トロバがいた場所に帰るために。

オレは、生きるために戦う。
どんなに深い闇に沈んでも、必ず。絶対に戻ってくるから。

［説明］
飾り気のない格納庫。その奥には、黄色い機械仕掛けの竜が佇んでいるという。
拠点として利用したいなら、ここの所有者に申し出てみるのもいいだろう。

看板には次のように書かれている。

ここを拠点とする者は、以下の恩恵を受けることができる。
・訓練は基本的に制御のみだ。
・購入は主に追加素材、または機動力強化が中心だ。
・ブックメイクは原則行わない。

オーナー：Eno176