ENo.0146　フレースヴェルカ

翔けよ雷光

霧を引き裂け

後悔を捨てよ

前へ進め



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最初に、その名前が何なのかと言うのを話しましょう。
教えましょう、ではないのは、貴方も知っているからです。
きっと話している間に、少しずつわかると思います。
思いだすと思います。
少しずつ、話しましょう。
《ERIS》は、私たちが操る『雷球領域』と呼ばれる武装の事ではありません。
固有名称として存在する、計画の名前でもありません。
なぜなら、私たちが知るその名前を持つ者は一つしかないから。

「　　　　　　」

えぇ。その通り。
《ERIS》とは、ハイドラライダーの事です。
正確には、ハイドラライダーの一人を示していました。
彼女はとても優秀で、勇敢で、未来が有望なライダーでした。
だからこそ、その計画において真っ先に名前を上げられる人だったのでしょう。
けれど。

「　　　　　　」

そう。彼女は亡くなった。
あまりの負荷の高さは、ハイドラの攻撃を直接受けるのと同等でした。
敵の攻撃では無く、その武装の反動で。命を落としました。
私たちが殺したも当然でした。
当然…というにはおかしい話ですね。
私たちが殺したんですから。
それ以外の何でも無かったわけです。

「　　　　　　」

そして、そうならないように。私が生まれた。
貴方が寝ている間に、代わりになるように。


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私たちが背負うのは。
たった一つの悲劇と。
数多もの罪。

死ぬまで。その身が壊れるまで。

壊れてしまった、もはや時代遅れ、彼氏にフラれた腹いせ。
あれこれの理由で積もったジャンク品の山の中。
打ち捨てられたようで、実はとても手入れの行き届いた三段櫂船型ハイドラが……無い。何処かへ消えてしまったかのようだ。
ある一人の幽霊が、それについて聞かれるとニヤリと笑う。




「どこだと思う？メテルカならわかんじゃねえかな。」