ENo.0201　水槽の脳髄

「人型義体二脚の操縦もずいぶん上達しましたね。よしよし、あんよが上手」
《やめろよ気色悪い！
　ていうか何で俺がこんなちんちくりんのボディに入らなきゃなんねーんだよ！　もっとこうさあ、長身でイケメンが良かったんだけど！？》
「いやあ、自分の望み通りの容姿を手に入れるなんて幸運はそうそうありませんよ。そういうのは遺伝子操作の費用を払えるお金持ちの子供が得るものです」
《畜生！　後でカッコイイVRボディを要求するんだからな！》
「もらったとしてどこに表示する気なんです？」
《は？　そりゃもちろん他のライダーの通信に使うに決まってるじゃん？》
「いえ、ちゃんと映像は送られてるんですよ。僕らも使っていますが、ノウさんの水槽にはちゃんと外見的な変化があれば感知できるようにカメラがついてまして」
《マジ！？　白兎の他のライダーって脳みその映像見ながら戦ってんの！？
　引くわー、流石にそれは引くわー》
「張本人が何か言ってますね」
《映像が流れるように設定してんのそっちじゃんよ！？》

生体脳使用ハイドラ『オーヴァルック』のサポート専門チームの待機所。
『オーヴァルック』帰投時は機体と生体脳の保全を行い、出撃時は戦果査定用の戦闘中継を見ながら手に汗握り、時には野次も飛ばす。